日本の安倍晋三首相は26日に3日間にわたるミャンマー訪問を終えました。安倍首相が日本の首相として36年ぶりにミャンマーを訪問したことを受け、世論は「ミャンマーという東南アジアの重要な戦略の場に戻りたいという日本の願いを表している」と見ています。
安倍首相は同日、ミャンマーのテイン・セイン大統領と会談を行い「民主化や法の支配の確立、経済改革、国民和解に取り組んでいるミャンマーの新しい国づくりを、日本は官民の持てる力を総動員して、一丸となって応援をしていく」と表明したほか、910億円規模のODA・政府の途上国援助の実施や、2000億円の対日債務免除も明らかにしました。910億円のODAの内訳は、510億円の借款と400億円の無償資金援助です。これに対してマスコミは「安倍首相は援助の拡大を通じて日本企業のミャンマー進出を後押しし、ミャンマーの経済発展を利用して、日本の経済成長実現を目指している」と報道しています。
安倍首相は25日にヤンゴン近郊にあるティラワ経済特区を視察し、ミャンマーに対する経済支援について、「日本官民の持てる力を生かして支援していく。ミャンマー支援は日本の発展にも役立つものだ」と強調しました。
安倍首相の訪問の重点は経済にありますが、政治、治安などの分野における日本とミャンマーの協力のため基礎を作りました。テイン・セイン大統領と会談の前日、ミャンマーの最大野党である国民民主連盟党首のアウン・サン・スー・チー氏と会談を行った際、安倍首相は「民主化を進めているミャンマーの国づくりを官民挙げて応援したい」と支援を表明した上で、水力発電、高速通信網、水道、道路の整備や法律家育成、各種法制度の整備などで日本が支援可能であることを伝えました。
一方で、テイン・セイン大統領との会談で、両首脳は、北朝鮮問題について拉致・核・ミサイルの問題を包括的に解決していくことが重要だという認識で一致したほか、対中国関係についても意見を交わしました。5月末にまもなく出港する予定の日本海上自衛隊の「練習艦隊」の遠洋航海では初めてミャンマーに寄港することになっています。
アメリカをはじめとする西側諸国がミャンマーに対する制裁政策を実施していた時期、日本政府は1987年に日本の貸付を凍結するとともにミャンマーに対する投資と支援を停止しました。ミャンマー改革の推進に伴い、西側諸国はミャンマー制裁を緩和し、特にアメリカのオバマ政権がアジア回帰戦略を打ち出し、ミャンマーを訪問した時期、日本はアメリカの立場に従う一方で、ミャンマー政府と野党のアウン・サン・スー・チー党首との交流を保つなど独特な政策を堅持していました。
関係者は「ミャンマーの開放拡大に伴い、大国も"ミャンマー争い"を加速している。今後どうなるのかは、ミャンマーの改革の実質的な進展とこの地域における各国の勢力図によるだろう」と分析しています。(Yin)
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