中国で最も大切な祝祭日である旧正月、春節が近づくにつれ、浪費をやめて、節約や倹約をすることが提唱されています。例年に比べ、政府部門も民間も様々な宴会が著しく減り、食卓での浪費が抑えられるようになりました。
例年、春節が近づくと、レストランの「節度ある食卓、浪費をやめましょう」という標語と大量に残された料理が皮肉な対照を見せています。また、食べ残しを持ち帰るお客さんもまだ多くはありません。北京でレストランを経営する胡さんは、「2人の食事に5、6人分の料理を注文することがよくあります。10人以上のビジネス招待宴だと浪費はもっとひどくなり、箸も付けられずに残された料理が山ほどあります。1人当たりの消費額を200元とすると10人では2000元ですが、その半分の1000元は浪費している計算です」と述べました。
このような現象はたまたまではありません。報道によりますと、中国では、毎年食卓で浪費される食料が800万トン、2000億元にも上ります。特に、公務の招待による年間消費額は3000億元に達し、浪費の92.6%はビジネスや公務の招待によるものだそうです。一方、現在の中国では、農村の1億人以上が貧困と闘っており、都市部でも数千万の貧困人口がいます。
こんな中、食卓での浪費が、政府と一般国民の注目を集めています。中国共産党はこのほど「8つの規定」と「6つの禁止」を出し、公費による春節の訪問や見舞、宴会などを一切禁止しました。習近平総書記も最近数回にわたって倹約を強調し、軍隊でも忘年会など大規模な宴会を行わないよう指示を出しました。各政府機関や政府系団体も相次いで新年会や忘年会などの宴会をやめています。
浙江省にあるレストランの責任者、孫さんは「うちは有名なレストランなので、これまでうちのレストランで多くの政府機関や政府系団体が忘年会をしていました。しかし、今年は、最近になって半分以上の予約がキャンセルされました」と述べました。
このような動きに賛成の声が高まっています。大学で勤務している張さんは賛成派の一人です。張さんは「公費で宴会をするのは非常に良くないと思います。特に政府部門は、税金は納税者のために使うべきで、彼らの飲み食いに使うなんて、絶対反対です」と述べました。
一方、北京や成都などの多くのレストランでは、浪費撲滅のキャンペーンを実施しています。北京の一部レストランでは、通常の半分の量でも注文できるようになり、また食べ残しの持ち帰りを勧めるキャンペーンも実施しています。さらに、「毎食残さずきれいなお皿」という活動が展開され、食卓での節約は基本的なマナーとして、中国人の消費理念に新風を吹きこんでいます。(01/29 大野)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |