日本の安倍晋三首相は今日から4日間にわたって、ASEAN加盟国のベトナム、タイとインドネシアを訪問し、3カ国の首脳と会談を行うことになっています。第2次安倍内閣発足後初めての外遊となります。
安倍晋三首相は16日午前、ベトナム、タイ、インドネシアを歴訪するため、政府専用機で羽田空港を出発しました。同日午後には、ベトナムの首都ハノイでベトナムの首相および国家主席と会談を行うことになっています。共同通信は16日付の記事で「安倍政権は、ベトナムへの原子力発電施設の輸出を推進している。ベトナムも原子力発電所建設を日本が受注することで合意した。関連交渉で進展を得られるかがベトナム訪問の焦点になりそうだ」としています。
ベトナム訪問に続き、安倍首相は17日にタイのバンコク、18日にはインドネシアのジャカルタでそれぞれ両国の首脳と会談し、19日には日本に帰国する予定です。共同通信によりますと、安倍首相は訪問期間中アジア外交の基本的な考え方を示す「安倍ドクトリン」や、米国とともにアジアで協力を展開する方針を発表するということです。
ジャカルタで発表される「安倍ドクトリン」には、ASEANと日本の経済協力や、海洋安全保障協力、ベトナムへの原発輸出などの内容が盛り込まれています。
共同通信の16日付の記事によりますと、第2次安倍内閣発足後、麻生太郎副首相兼財務大臣がミャンマーを、岸田文雄外相がフィリピン、シンガポールとブルネイをそれぞれ訪問し、ASEAN重視の姿勢を強めています。また、同社の別の報道では、「日本は、ASEAN諸国との協力を通じて中国とのこう着状態を打開する狙いもある。しかし、中国はASEANにおいて影響力もあるので、こういったアジア外交で日本がどれほど成果を上げられるかはまだ分からない」と指摘しています。
一方、時事通信は「安全保障や経済・エネルギー政策での連携を推進する安倍首相の方針には、日本企業の海外投資を促進し日本経済を振興させる狙いもある。同時に、ASEANとの関係強化で中国けん制の効果も期待できる」としています。
今回の歴訪に先立ち、安倍首相は日中の外交について「世界地図を俯瞰しながら戦略を考える」と語りました。また、安倍首相は、日米同盟を強化するとともに、日本の外交力を高め、中国とのこう着状態を打開するためASEAN諸国との協力を強化していく方針も明らかにしました。
アナリストは「安倍政権の外交面の動きには、中国をけん制する姿勢が伺える。安倍首相の『戦略的外交』は、第1次安倍内閣のときに掲げた『自由と繁栄の弧』の構想に基づいたものといえる」と分析しています。
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