スイスの東部ダボスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が23日より開幕しました。今回の会議では、ロシアとアフリカの発展が各界の注目を集める焦点となっています。
ロシアのメドベージェフ首相が冒頭スピーチをしましたが、多くの参加者が「過去10年間、ロシア経済は持続的かつ急速な発展を保ってきたものの、その発展は依然多くの試練に直面している」と考えており、石油・天然ガスの輸出に依存し、資源価格の影響を受けやすい歳入構造の改善が課題だと認識しています。
これに対しメドベージェフ首相は、「石油価格は現在、比較的安定している」と述べ、「国際価格が高騰した場合は、ロシアは国内の需要を自国で満たす事が可能だが、逆に価格が落ち込めば、経済成長の原動力を欠くことになる。このため、ロシアの経済成長は石油と天然ガスのみに依存したものではなく、食品や貨物の輸出も成長の主たる原動力となっている」とした上で、「18年間にわたる交渉を経て、WTO・世界貿易機関に加盟できたことは、ロシアにとってひとつの大きな前進であり、ロシアの国際市場への参入にも有利だ。今後もEU・欧州連合やブリックス諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)との協力を強化していきたい」との考えを示しました。
今回のダボス会議にはアフリカ10カ国の首脳が出席していますが、これはかつてないことです。23日午後、南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領とナイジェリアのグッドラック・ ジョナサン大統領がそれぞれ談話を発表し、AU・アフリカ連合委員会の委員長を務めるズマ大統領は、「アフリカの発展は言うまでもないことであり、アフリカの指導者たちは今まさにアフリカの未来の発展に取り組んでいる」と強調しました。
ズマ大統領の発言は数字でも裏づけられており、アフリカ経済は2年連続で5%の伸び幅を保ち、世界経済の平均伸び率を超えました。また、世界経済が低迷しつつある中、アフリカは世界にチャンスを提供し、投資者もアフリカ市場に期待を示してます。しかし、アフリカの発展はインフラが整備されていないことで妨げられています。ズマ大統領とジョナサン大統領はいずれも「インフラ問題はアフリカの貿易の発展やアフリカ製品の世界進出を妨げている」と指摘したほか、「アフリカの政府管理や社会保障、若者の就職などの制度を整えるにはまだ時間がかかる」と語りました。
ダボス会議の23日の議題は、世界の金融、エネルギー、人的資源などの内容となっています。
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