朝鮮国防委員会は24日声明を発表し、国連安保理が朝鮮に対する制裁決議を採択したことを非難したほか、更に高いレベルの核実験を行い、国家の自主権を守るために全面的な決戦に入ると表明しました。これに対し、韓国、日本、アメリカ、ロシアなどの国がそれぞれ反応を示しています。
朝鮮の声明に対し、韓国統一省の柳佑益(リュ・ウイク)長官は24日、「武力を通じて解決することは朝鮮自身を傷つけることにもなる」とした上で、朝鮮が正しい道を選択し、安保理の決議を尊重し、核活動を全て停止するよう呼びかけました。また柳佑益長官は「このほど採択された決議は、韓国を含む国際社会の呼びかけで、朝鮮が核兵器開発や他の挑発的な行動を止めることを断固として要求する。韓国は、他の国と共に朝鮮の経済改善を手助けしたいが、前提として開放的な政策を実施し、国際社会にとけこんで欲しい」と話しました。
日本の菅義偉官房長官は24日の記者会見で、「日本は国連を通じて核実験などを絶対に行うべきではないと朝鮮に申し入れながら、万が一に備えて警戒態勢を取っている」と述べました。日本の松山政司外務副大臣も会見で、「国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な挑発行為」だと批判した上で、「関係国と緊密に連携し、6カ国協議共同声明の完全実施を求める」と述べました。
日本の各主流メディアも朝鮮の動きに注目しています。毎日新聞は朝鮮中央通信の報道をとりあげ、朝鮮が24日、「高いレベルの核実験」を行うとの声明を出し、朝鮮による3度目の核実験が行われるが、具体的な日程を発表していないと伝えました。また、読売新聞は、前回の衛星打ち上げ後、24日に初めて声明の中で核実験に触れたとし、アメリカを名指ししたことが、国際社会を強く牽制し、今後の核問題の交渉において譲歩させる狙いがあるとしています。
アメリカホワイトハウスのカーニー報道官は定例記者会見で、朝鮮の核実験計画は「無用の挑発であり、国際社会での朝鮮の孤立を加速させるだけでしかない」と語りました。カーニー報道官は「朝鮮の核実験の実行は国連安保理の決議に違反する。実行に踏み切れば、アメリカは相応の対応を取る。必要な場合は安保理よりも厳しい制裁措置を取る」と強調しました。パネッタ国防長官は、この日の国防省の記者会見で、「朝鮮が核実験を実行する兆しは見えない」と述べましたが、朝鮮が一定の技術を持っていることを認め、米軍は事の成り行きに注目しているとしました。また、いかなる挑発行為にも対応できる準備ができていると強調しました。
ロシア外務省のガチロフ外務次官は24日、朝鮮が核不拡散問題の交渉による決議を実施しないことに遺憾の意を表明しました。ガチロフ外務次官は「朝鮮側の対応は、国連安保理が採択した対朝鮮決議に対する消極的な反応だ。これらの問題が近いうちに落ち着くよう期待している」とした上で、「ロシアは依然として、6カ国協議を再開することが朝鮮核問題を解決する最も有効な方法だと考え、引き続き各方面と連絡を保ち、対話プロセスの継続を促していく」述べました。
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