国連安全保障理事会は19日、緊急会合を開き、緊迫する朝鮮半島の情勢について話し合いました。8時間にわたって議論されたにも関わらず、朝鮮半島の情勢を緩和させるための意見はまとまらず、合意には至りませんでした。また韓国は20日に黄海の大延坪島(テヨンピョンド)付近で、射撃訓練を行うことを決め、実施しました。
当日の安保理緊急会合では、ロシアが提出した声明の草案について議論されました。草案は、南北が最大限に冷静に自制を保つことを呼びかけ、朝鮮半島の緊迫した情勢を緩和させる措置を取ることや、「対話と平和的な外交ルートで問題を解決すること」などを強調しました。声明はまた、国連に対し、特使を南北両国に派遣することを提案しましたが、それに関する各国の意見が大きく分かれ、合意には達しませんでした。
また、会合の後、アメリカのライス国連大使は、「『今年、朝鮮が2回にわたって韓国を襲撃したことを批判する』といったアメリカの意見は、中国側から反対を受けた」と明らかにしました。
一方、中国の王民国連副大使は会合で、武力衝突を避けるため、南北が極力冷静を保つよう強く呼びかけると共に、現在の情勢はできるだけ早く6ヶ国協議の再開の必要性を反映するものだとして、関係各国に対し、速やかに対話の体制を整えるよう求めました。
なお、今回の国連の会合はロシアが提案したものです。会合では、「朝鮮と韓国が最大限に自制する」という表現に関しては、アメリカとロシアの意見が一致しませんでした。ロシアと中国は、韓国に対し、軍事演習を停止するよう呼びかけましたが、韓国を支持するアメリカ、イギリス、フランスおよび日本は、韓国の軍事演習に明確に反対する表現を避けるよう主張しました。また、アメリカはさらに、「朝鮮からの挑発は国際法に違反する」といった内容を盛り込むなど、南北に対して対等ではない表現をする意見を出しています。
また、会合の前、朝鮮半島情勢の打開に向けて、朝鮮を訪問している米ニューメキシコ州のビル・リチャードソン知事は、「中国とロシアが新しく出した声明は積極的なもので、安保理の緊急会合は非常に重要である」と述べました。
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