韓国とアメリカは28日朝、朝鮮半島西部海域で、4日間にわたる合同軍事演習を始めました。アメリカの原子力空母「ジョージ・ワシントン」は3月に起きた「天安(チョンアン)号」事件以来初めてこの海域に入ったことになります。これに対して、この日、朝鮮側はすべての軍事挑発を停止するよう韓米両方に求めた上で「さもなければこれによってもたらされた深刻な結果に対する全責任を取ることになる」と韓国とアメリカに警告しました。そして23日の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件の発生後、緊張が日増しに高まっている朝鮮半島情勢に国際社会は大きく懸念しているのです
韓国軍合同参謀本部の高官が28日に明らかにしたところによりますと、韓国とアメリカの合同軍事演習は、「ジョージ・ワシントン」が朝鮮半島の西部海域に入った28日の午前6時ごろから正式に始まりました。今回の合同演習は、もとの計画を拡大し、対空防衛と海上戦闘力を中心に実弾射撃や砲弾演習も行われます。関係筋は「『ジョージ・ワシントン』には将兵6000名あまりが乗り組み、戦闘機80機を搭載されている。このほか戦艦10隻も追加された。一方、韓国からは7600トン級の「世宗大王(セジョン・デワン)」駆逐艦、4500トン級の駆逐艦2隻と護衛艦などが参加していると話しています。さらに、韓国の連合ニュースは、アメリカ軍は精密度の高い攻撃レーダーシステムも投入しており、このシステムは空中から海岸に配置した朝鮮軍の大砲や戦闘部隊の動向をかなり正確に探測・監視することができると報道しています。
一方、朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は28日、今回の合同軍事演習に関する評論員の文章を掲載しました。この文章は、すべての軍事的挑発行為を停止するよう韓米双方に求め、「さもなければ軍事演習によって引き起こされたすべての深刻な結果に対する全責任は韓米にある」という強い姿勢を示しました。また「23日の砲撃事件は、韓国がさきに朝鮮の領海に砲弾を撃ち込み、朝鮮の主権を公然に侵犯したことによるものだ」とした上で、朝鮮側は、これからも軍事措置を取り、領海を侵犯する行為に反撃していくと強調しました。
ところで「天安号」事件と延坪島砲撃事件の発生後、韓国の多くのメディアは保守的な報道姿勢を保ち、韓国の国防事情に反省を加えると共に、アメリカとの軍事同盟を維持する重要性を強調し、合同軍事演習は朝鮮への警告だとしています。
現時点で、韓国で最も注目されているのは死傷者が出た延坪島砲撃事件で、今回事件がおきたことはこれまでの韓国政府がとった「太陽政策」が失敗したことの現れだとし、韓国は今後強硬な措置を取るべきだという説が強く流れています。
「天安号」事件以降、韓国とアメリカは何回も合同軍事演習を実施しましたが、韓国を取り組む環境の"一層の安全"という状態はできていません。これに対して、中国側は「朝鮮半島の平和と安定は関係各国の共同の利益と一致している。問題を激化させる行動にでるよりも、自制を保ち、対話と接触を行うべきだ。事態の沈静化や衝突の再発防止を目指して、関係各国が共に努力する必要がある。朝鮮半島情勢の真の緩和を実現させるには、六カ国協議の枠組みに戻るしかない」と再三主張しているのです。
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |