アメリカと韓国は28日から朝鮮半島西部の黄海で合同軍事演習を開始しました。アメリカの「ジョージ・ワシントン」号空母がそれに参加しています。これは、韓国の「天安(チョンアン)号」哨戒艦が沈没してから、米韓両国が行う最大規模の合同軍事演習です。中国国防大学の孟祥青教授は「米韓両国の軍事演習は朝鮮半島の情勢をさらに複雑化させた」と述べた上で、「延坪(ヨンピョン)島砲撃事件が発生した後、4日間の米韓による大規模な軍事演習はもともとの計画より強められた。朝鮮を脅かすという米韓が望む軍事演習の目的は実際には達成出来ず、朝鮮半島の情勢はさらに緊迫なものとなった」と指摘しました。
米韓の合同軍事演習に対して、朝鮮のメディアは29日「今回の軍事演習は厳しい挑発で、犯罪行為でもあり、この地区を戦争の瀬戸際に押し寄せた。朝鮮は引き続き打撃していく」としています。
一方、日本防衛省は「アメリカと日本は12月3日から10日にかけて日本の周辺海域、空域と基地で合同軍事演習を行うことを明らかにしました。「ジョージ・ワシントン」号空母を含めて、日米両国から4万4000人、60隻の艦船、400機の戦闘機がそれに参加することになります。
中国現代国際関係研究院世界政治研究所の高祖貴所長は「アメリカ、韓国と日本がこれほど大規模で、密集した軍事演習を行うことは朝鮮を怒らせ、矛盾を激化する可能性がある」と述べた上で、「米韓の軍事演習の後、アメリカと日本の合同軍事演習は数日間続くことになる。これはすでに緊迫した状態をさらにヒートアップさせていくだろう。朝鮮は、米韓と米日の軍事演習の期間中なんらかの反応がないわけはない。そうなると、朝鮮半島の情勢が緩和させることができなくなる」と強調しました。
アナリストは、朝鮮半島問題は「冷戦の生きた化石」だといわれていますが、その根本的な原因は和平メカニズムが出来ていないことにあると指摘しています。
孟祥青教授は、当面、平和的交渉は朝鮮半島の緊迫した情勢を緩和させる唯一の手段だと強調し、「いま、朝鮮の核問題に関する6ヶ国協議は中断されているが、6ヶ国がちゃんと座って話し合いを再開させることが大事だ。軍事演習や軍事力で相手を脅かすまたは圧力をかけるような行動は火に油を注ぐようなもので、平和の実現には不利だ」と語りました。
なお、6ヶ国協議議長国を務める中国は28日に、12月上旬北京で6ヶ国協議団長会議を開き、意見交換をすることを提案しました。
会議が緊張した情勢の緩和に役立つことが期待されています。
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