2013年1月1日から、中国では「史上最も厳しい交通規則」が実施されるようになりました。新しい交通規則は赤信号無視や黄信号無視、スピードオーバー、ナンバープレート不正などを厳しく処罰すると共に、飲酒運転や高速道路における逆行などを徹底的に禁止しています。中国の人々にはこの新しい交通規則の実施について賛否両論があります。公安省の官僚は、モータリゼーションの到来に合わせて、中国では、厳しい管理制度が必要であり、新しい交通規則は人々の交通安全を守るために重要だと見ています。
新しい交通規則の厳しさは、今、中国で大きな話題になっています。北京の市民、孫さんは、新しい交通規則を高く評価しています。孫さんは、「新しい交通規則は厳しくなったが、我々にとって、より安全な環境を提供してくれると思う。赤信号無視は普通の歩行者だけでなく、ほかの車にとっても危険だ。交通規則をしっかりと守るからこそ、道路の交通が一層スムーズになる」と語っています。
一方、ドライバーの倪(ゲイ)さんは、新しい交通規則に定められた「赤信号無視に一律6ポイント減点」ということに不安を感じています。倪(ゲイ)さんは、「ドライバーとして、毎日道路で走っているから、交通違反はどうしても避けられないんだ。免許を持つ人は誰でも12ポイントしか持たないから、一回だけの違反で6ポイントを取られるなんてちょっと厳しすぎる。信号無視はわざとしたのではなく、客観的な要素の時もある。だから、交通ルール違反には、処罰だけでなく、教育で是正すべきだと思うんだ」と述べました。
新しい交通規則では、赤信号無視だけではなく、黄信号無視も厳しく処罰する範疇に取り入れられました。これまで、交差点では、信号が黄色に変わる時、多くの運転手はアクセルを踏み、スピードを上げて通りましたが、これは新しい交通規則では許されない行為となりました。新交通規則によりますと、黄信号になると、車の先端部分がストップラインを超える車両だけ通行し、ストップラインを超えていない車両は止まらなければなりません。引き続き進めば、黄信号無視として、運転手に6ポイントを減点すると共に、罰金を実施します。これは、2回黄信号を無視すれば、運転手が持っていた12ポイントがゼロとなり、改めて試験を受けて、免許を取ることを意味します。
中国各地では、現在、この新しいルールを厳しく実施していますが、インターネットでは、「ニュートンの慣性の法則に合わず、運転手に対する要求が厳しすぎる」などと揶揄する書き込みが出ています。しかし、中国公安省交通管理局の崔健警官は、「厳しい規則を実施する目的は、中国の車に乗る人たちのモラル向上にある」として、次のように述べています。「交通規則は確かに厳しくなった。しかし、この厳しさは違反行為を犯した少数の人に対するものだ。交通ルールを厳守し、安全運転を心がける多くの運転手にとって、交通規則がどんなに厳しくても、それを実感できない」と語っています。
新しい交通規則を知ってもらうため、中国の公安交通管理部門は、新聞やラジオ、テレビ、インターネットなどのメディアを利用するほか、新しい移動端末技術も利用して宣伝を強化しています。(周莉)
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