日本の衆参両院は26日午後の本会議で、自民党の安倍晋三総裁を第96代の首相に指名し、同日夜、安倍内閣が発足しました。
今回の安倍政権に対し、日本の各界は全体としては慎重に見守っています。日本の主要メディアはいずれもトップニュースで安倍内閣の成立を報じ、閣僚人事にはおおむね賛意を表しています。
日本の経済界は安倍内閣に大きな期待を寄せているようです。景気刺激のために大胆な経済政策を取るよう願っています。また、外貨市場で円安が一段と進んだうえ、新政権への期待もあって、東京株式市場では26日、株価が全体的に上昇し、日経指数は9カ月ぶりの最高値を記録しました。
トヨタ自動車の豊田章男社長は記者のインタビューに対し、「自民党は選挙中、海外投資の促進を提唱していた。これは多国籍企業にとっては大変ありがたいことだ」と述べました。日本鉄鋼連盟の友野宏会長は、「日本の製造業が今後どう発展するかは、新内閣の政権運営次第だ。円高による輸出産業への打撃を軽減してほしい」と語りました。日本の経済界はまた、民主党政権の打ち出した「原発停止」政策を見直すよう安倍政権に求めています。しかし、多くの経済人は、安倍政権のエネルギー政策は不透明だと見ています。
専門家は、「新しく発足した安倍政権は非常に複雑な情勢に直面している」と見ています。内政面では、『デフレ脱出と日本経済再生』という目標が最も重要な課題です。この他、平和憲法の改正や集団自衛権の行使の承認、自衛隊の国防軍への改名などが世界の注目を集めています。外交面では、安倍政権はアメリカとの協力を強め、日米同盟を緊密化しようとしていますが、釣魚島問題やますます危機を深める日中関係が大きな難題であり、慎重に対応し、適切に解決しなければならないと見られています。
一方、国際社会も安倍政権の誕生に大変注目しています。アメリカのメディアは主に安倍政権の経済、外交分野での政策に報道が集中しています。アメリカの新聞「ワシントンポスト」は26日、「安倍首相は就任後ただちに経済問題に取り組むだろう。緩和的な通貨政策と財政政策を継続すると共に、円安によって輸出を促し日本経済の復興を図るだろう」と報道しました。AP通信は、「安倍内閣の岸田文雄外相は沖縄問題の専門家であり、米軍の沖縄駐屯は日米の矛盾が集中する問題だ。このことは安倍政権がアメリカとの矛盾緩和や日米同盟の強化を希望していることを暗示している」と報じました。
シンガポールの「聯合早報」は「外交経験の全くない岸田氏を外相に任命したのは、安倍首相が外交問題で自らの主張を貫くという表明だ。今後、日本の外交政策は首相と彼の外交的アドバイザーグループが決定するだろう」と見ています。
ドイツの新聞「世界報」は、「強硬派の安倍晋三氏が首相に就任したことによって、中日関係はよりいっそう緊迫化する見込みだ」と報道しました。(12/27 Lin、大野)
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