日本政府は11月末、赴任前の9月に病死した西宮伸一氏の後任に、前内閣官房副長官補の木寺昌人氏を新駐中国大使に任命しました。木寺大使は今月25日、北京に赴任する予定です。赴任を控え、木寺大使は14日に日本の外務省で、中日関係の現状と展望について、中国メディアの取材を受け、今後の仕事などについて答えました。
木寺昌人大使は東京生まれで、現在60歳です。東京大学を卒業後、1976年に外務省に入り、国際協力局長や内閣官房副長官補などを歴任しました。木寺大使は、大使に起用された際、自分も驚き、他にふさわしい人がいるのではないだろうか、と思ったということです。ただ、任命された以上、精一杯力を尽くしたいと意気込みを語りました。どのような中国大使になりたいかという質問に対し木寺大使は、
「私は、中国が好きな日本大使になりたい」
20年前ほどに木寺大使は、外務省アジア局中国課首席事務官を務め、中国との外交を通して、幅広い人脈を築き上げました。木寺大使は、母親が大連出身であることや自分の名前も中国と関わりがあることから、中国との縁を深く感じていると話しています。
「私の名前は木寺昌人と申しますが、昌人の昌と言う字は、私が10月10日生まれなので、私の父が1911年10月10日に辛亥革命がおきた武昌という街から、昌人の昌という字を取ったと、子供のときから聞かされていた」
現在、領土問題で中日関係は悪化しています。この時期に中国大使に起用されたのは、まさに大任をまかされたといえるでしょう。中日関係の現状について木寺大使は、中日関係は厳しい局面にあるとしています。
「中国外交部と日本外務省は話し合いを継続しているので、その中で収拾が平和的に図られていくのが大事だと思う」
木寺大使は「自分の身内を自由に選ぶことができないように、日中両国が隣国であることも変えることはできない。日中両国はアジア太平洋地域において重要な経済体であり、両国の友好関係は、両国国民及びアジア太平洋地域の安定に大きな影響を与える」と話しています。今後の中日関係の発展に関して、木寺大使は楽観的な見方を示しています。
「私は友好だと思う。40年前、日本と中国は国交正常化を実現し、新しい関係に入った。中国では『井戸を掘った人を忘れるな』と皆さんよくおっしゃる。正に40年前にいろいろ苦労して、日中関係の新しい世界を切り開いたかたがたの苦労を思い出して、そしてこれから更に新しい関係を伸ばして行きたい」
木寺大使は、今月の25日に北京に赴任する予定です。赴任後の主要任務は中日友好を促進させることで、それに向けて努めるとしています。
「私は地味な性格ですから、外交にはマジックとかミラクルというのは無いと思う。従って、中国に行って、いろんな方に会ってできるだけ多くの方にあって、日本と中国の大局的観点に立って、仲良くしていくことが、そして経済関係を進めていくことが日本国民、中国国民、日本経済、中国経済のためになるんだということを説明して回りたいと思う」
今後の仕事について木寺大使は、中日友好を促すほか、中国にある日本企業にも仕事の重点を置くと話しています。
「日本の企業を応援する大使になりたいと思っている。もちろんそれは、日本との関係だが、私は中国との関係では友好を更に深めるために来た大使だと受け止めて頂ければ大変幸せだ」(劉叡、山下)
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