死者39人を出した7月23日の高速鉄道事故の発生後、中国社会は高速鉄道の発展過程で安全と速度の関係について考えさせられました。国土が広く、人口が多い中国では、人々が外出する場合、鉄道への依存度は想像以上に高くなっています。しかし、最高時速220キロの列車が追突すると言う悲惨な事故によって、これまでに形成された鉄道に対する中国人の信頼は、一瞬にして、高速鉄道の運行は大丈夫か?事故原因は何なのか?技術レベルは?と言った疑問や恐怖感、そして怒りへと変わってしまいました。この事故は現在なおも、処理中ですが、この事故を通じて、中国社会全体は高速鉄道の発展について、安全第一という結論を出ました。
飛行機の運航は、天候など不確定な要素が多く、また料金も高いのです。そして、バスも安全性に問題があるため、列車がもっとも安全な交通手段だと中国の人々はこれまで考えてきました。そして、ここ数年、高速鉄道というものが、中国人の視野に入いってきました。日本やドイツ、アメリカなどの国で、すでに長年にわたり発達してきたこの高速鉄道は、2008年に、北京と天津間で開通し、社会で一大センセーションを巻き起こしました。時速300キロで運行する高速鉄道は、30分でこの2つの大都市を結びました。その後、北京、上海間等の高速鉄道も開通しました。計画では、2020年までに、中国では、あらたに長さ1万6000キロにわたる高速鉄道が開通し、人口の90%以上をカバーすることになるそうです。高速鉄道はスピードが速く、時間を節約できると喜ばれていました。
しかし、7月23日夜8時34分ごろ、中国東部の重要な商業都市である温州市で高速列車が追突する重大事故が発生し、39人が死亡し、約200人が負傷しました。
この事故は人々の心に暗い影落とし、恐怖感を与えました。
事故発生後の、28日に温家宝首相は事故現場へ足を運び、犠牲者を悼み、遺族を見舞った後、車両が転落した高架橋の下で記者会見を行いました。
温家宝首相は、「この事故は、中国が高速鉄道建設において安全面を一段と重視するよう警告した。設計や設備、技術、建設および管理においても、安全第一だ。もし、安全性がなければ、信頼性も失われる。高速鉄道建設において安全を一段と重視する。速度、品質、収益と安全を一体化させ、常に安全を第1に考えなければならない。関係機関が今回事故から教訓を汲み取り、あらゆる方向から仕事を改善して行ってくれると信じている。特に技術面で難関を乗り越え、管理をしっかりし、中国の高速鉄道の安全を確保する。そして、世界においても、信頼を獲得できると信じている」と繰り返して強調しました。
中国の社会にきわめて大きな不安を引き起こしたこの重大事故について、安全監督や、検察など多くの機関からなる独立調査グループがすでに設置されました。現場での、調査と測量、技術サンプルの回収と科学的な分析、専門家の話などを通じて事故の真相を調査中です。これについて温家宝首相は「われわれは真実を究明して歴史の試練に耐える結論を下すべきだ」と強調しています。
なお、独立調査グループの当初調査の結果では、事故は信号装置のミスによるものということです。(董燕華)
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