中国国防省の報道官は27日の定例会見で、中古の空母1隻を研究と訓練に使うため、改修工事を進めていると発表しました。また、中国の国防政策や、近海防御戦略は変わらない、今回の空母に関する情報を公表したのは、南海情勢とは関係がないことを強調しました。
国防省の耿雁生報道官は、「中国の関係各部門はあらゆる側面から空母の建設について総合的かつ真剣に検討している。現在は、訓練と試験用に中古の空母を改修している」と述べました。
なお、中国の軍の高官は、空母の改修について、これまで数度にわたって言及してきました。その中で、陳ヘイ徳総参謀長がこのほど、アメリカのマレン統合参謀本部議長と会談した際、「中国はウクライナから中古の空母を購入した。これは、研究目的として使用価値がある。また、中国は空母を何隻建造するか、まだ決まっていないが、アメリカが数十隻も保有しているのに、中国は一隻も保有していないのは、現在の中国の国力に相応していない」との考えを示めしています。
ウクライナから1998年に購入したこの空母は、「ワリヤーグ」号といい、旧ソ連が設計した通常動力型空母です。現在は、大連の造船所で改修されています。
耿雁生報道官はまた、空母保有の目的について「国家の安全と世界の平和を守るためであり、中国の国防政策に変わりはない。空母は攻撃の武器にもなりうるが、防衛力にもなり、世界平和の維持と人道主義的支援のために使うこともできる。中国が空母の建造について研究するのは、国の安全と世界の平和を守るための軍事力増強のためである。中国は、空母の建設後も変わらず、今の国防政策を堅持していく。また、中国海軍の近海防御戦略も変わらない」との考えを示しました。
現在では、全世界の空母保有数は20隻で、その内、アメリカが11隻を保有しています。アジアでは、タイとインドが保有しているほか、日本と韓国はヘリ空母に近いヘリコプター搭載護衛艦をそれぞれ5隻と1隻保有しています。こうした状況にも関わらず、中国の初めての空母改修について、海外からは疑問の声が絶えませんでした。これについて、耿雁生報道官は、「空母の役割を過剰、または過少評価するのは、どちらも 正しくない。空母の建造を研究するのは、わが国の安全保障の技術レベルの向上を意味しているものである。また、軍の現代化建設を推し進める重要な役割を果たすものでもある。現在改修中の空母は、訓練と試験に使用されるが、いつ試験航行するかは未定である」と述べました。(閣)
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