中国の陳徳銘商務相は7日北京で、「中国は今後輸入を一段と拡大していく。今年の輸入の伸び幅は輸出を上回る見込みで、GDP・国内総生産に占める貿易黒字の比重は一層下がる見込みだ」と述べました。
中国の貿易黒字は、一貫して注目を集める焦点となっています。昨年、中国の貿易黒字額は1831億ドルで、GDPの3.1%を占めました。今年の貿易黒字の増減についての質問を受けて、陳徳銘商務相は「初歩的な判断によると、今年のGDPにおける貿易黒字の比重は一段と低くなる可能性があり、輸出超過という状況は改善される可能性があるが、個別に見ると月間の貿易に輸入超過が生じる可能性も排除できない。今年の対外貿易政策は、輸出を安定させ、輸入を拡大し、輸出超過を緩和させることだ。当面の情勢に鑑みて、世界には多くの不確定要素が存在しているため、経済復興の基盤が固められずにいるのみでなく、国際的な大口商品価格と為替レートの変化が比較的大きく、保護貿易主義の色が絶えず強まっている。一方、国内の状況から見ると、原材料の値上がり、労働コストの上昇および労働力不足など、さまざまな要素による問題に直面している。このため、今年の輸出は前年よりいくらか増加する可能性があるものの、増加の速度はゆるいものだ。中国は輸入構造の調整と改善を速めると共に、自由貿易区戦略を推進し、輸入の便宜化措置の実施を速めていく方針である。こうしたことから、輸入の伸び幅が輸出を上回る可能性がある」と述べました。
陳徳銘商務相は「ここ数年間、中国の貿易黒字は大幅に減少しており、昨年の黒字は2008年より38%以上減少している。今年から今後数年間、中国は輸入と輸出を共に重視し、輸入の拡大を図る。われわれは最後発開発途上国および主要輸出超過国からの輸入を増加し、これらの諸国とのバランスの取れた貿易を促進していく考えだ。しかし、当然ながらその前提条件として、貿易不均衡が存在する一部の国が対中輸出規制を撤廃し、貿易摩擦を適切に処理することが必要だ」と述べました。
陳徳銘商務相は特に、昨年の貿易黒字のうち、99%がアメリカとの貿易によるものであることを指摘し、このため中米双方が貿易のアンバランスという問題について討議することが非常に重要であるとの考えを示しました。また、中国はこの2年間、アメリカからの輸入拡大を重視してきたことを挙げ、この誠意についてアメリカから良い返事を得られるよう希望するとした上で、中国への輸出規制案を撤廃し、両国の貿易の一層の均衡化を図るよう要望を述べました。
また、中国は今後3年間をかけて、あらゆる最後発開発途上国からの輸入品の95%をゼロ関税とする準備があるとしています。 「昨年、中国は最後発開発途上国からの輸入品の47%に対しゼロ関税を実施した。今年および来年は、これらの国からの7000種類余りの輸入品の95%以上をゼロ関税とする。中国は先端技術や最新設備およびキーパーツの輸入を拡大し、綿花や食糧など大口商品の輸入ルートを幅広く切り開いていく。しかし、食糧や綿花など大口農産物については、大きく輸入幅を拡大することはない」と述べました。 (董燕華)
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