9月、釣魚島付近の海域で、日本海上保安庁の2隻の巡視艇が中国福建省所属の漁船と接触し、中国の漁船を拘束すると共に、船長を逮捕しました。これを受けて、先祖代々、釣魚島と付近の海域で薬草を採集したり、漁業をしたりしてきた中国人は、驚き、憤慨しました。
釣魚島は、数年来、中日双方の論争の焦点となっており、今回の事故も偶然におきた事件ではありません。事件発生後、日本は、事件を引き起こした側なのに、譲歩を示さないため、中国は、強硬な対応措置を取らざるを得ませんでした。最終的に、日本は、中国漁船の船長を釈放しました。
釣魚島は、中国東海のふちに位置する、わずか6.5平方キロの群島ですが、中国人が最初に見つけ、命名しました。島には誰も常住していませんが、600年以上前から明確に中国の領土となっています。沢山の資料が、中国が釣魚島及び付属の島に対して議論の余地なく主権を持っていることを証明しています。15世紀から、中国の明と清の政府は、釣魚島を海防の管轄範囲に入れています。これにより、国際法の原則から、中国は釣魚島に対して合法的な主権を持っています。
中国外務省の姜ユ報道官は、この問題について、「中国は、これに厳重な関心を示しており、日本に強く交渉を申し入れた。釣魚島及び付属の島は昔から中国の領土だと強調したい」と語りました。
この小さな島がなぜ中日両国の行き違いの焦点になるのでしょうか。中国国際関係学院の楊伯江教授は、海底の資源と排他的経済水域が、日本がこの小さな島に拘る原因だと認識しています。
楊教授は、「釣魚島問題は、1960年代に出てきた。ちょうど石油採掘が盛んになった時期だ。だから、日本の主要な目的は海底資源だといえる。もう一つの原因は、釣魚島の持つ戦略価値だ。国際海洋法によると、この島を持っていれば、周辺の排他的経済水域を持つことになる」と語りました。
釣魚島付近の海域で発生した中国の漁民と漁船の拘束事件が中日関係に与えた影響は短期間で消え去るか否かについて、清華大学国際問題研究所の日本問題専門家である劉江永氏は、「釣魚島問題は客観的に存在しており、この問題を解決することは、異なる立場に立脚する中国と日本が共に直面している課題である。中日政府は戦略的互恵関係の確保、強化、発展の必要があると認識しており、これはこの問題の解決の重要な基礎となっている」と述べました。
紛争に直面して、中国政府は、大局的な見地から、平和交渉と問題の棚上げ、共同開発という方針を一貫して主張してきました。もし、日本の賛成を得れば、中日関係の発展をより一歩促進するに違いありません。ただし、釣魚島問題を棚上げすることは、中国の態度が曖昧であることを意味しているわけではありません。(万、李、大野)
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