2009年中国中央経済会議で、2010年の中国経済の重点は、安定性の維持と経済構造の調整を平行させることにあると提起されました。
国際金融危機に見舞われたにもかかわらず、2009年の中国経済は「V」型に近い曲線で回復し、再び高度成長の軌道に戻り、GDP成長率8%の目標が達成する見通しです。しかし、経済回復の潜在力が依然として不足で、構造上の矛盾が相変わらず目立っています。経済発展モデルを転換し、経済構造を調整するのは、現在の急務で、来年の経済成長には、「量」と「質」が共に求めらています。
経済構造の調整について、国家発展と改革委員会エネルギー研究所の周大地研究員は、低炭素経済を発展させるのは、構造調整の重点で、政府は、温室効果ガスの排出削減、新エネルギーの開発、環境汚染問題の解決に力を入れるだろうと見ています。
「中央はずっと、経済成長モデルと経済構造の調整を強調し、さらに、GDPのスピード成長だけを目標にしてはいけないと表明しているが、それは、低炭素経済を発展させることと一致している。」
中国政府が発表した温室効果ガスの削減目標は、2020年までに、GDPあたりのCO2排出量を2005年より40%から45%まで削減するというものです。そこで中央経済会議では、省エネと排出削減事業を推進し、低炭素経済拠点を広げ、温室効果ガス排出を抑制することが提案されました。
一方、経済構造の調整において、会議では、新しい産業を発展させることが提案されました。これについて、清華大学の袁鋼明教授は、中国の新しい産業の中で、一番注目されるのは新エネルギー産業だと見ています。
「新エネルギー産業というのは、省エネ、環境にやさしい経済成長を図る産業だ。これに従事する企業は政府に支援されるようになる。このような構造調整は合理的で、正しいものだ。」
また、専門家は、今回の構造調整のもう1つの重点は、かつて輸出、投資だけに頼っていた経済成長モデルは消費、投資、輸出入が共に支えるように変化すると見ています。今、中国は世界第三位の経済体になったにもかかわらず、個人消費がGDPの4割にもなっていません。しかし、ほかの大きな経済体では、個人消費の割合はほとんど6割以上です。
今年に入って、輸出が例年よりはるかに減少したため、中国では、個人消費を刺激する政策が実施され、大きな効果を収めました。経済学者左小蕾氏は、国内消費を刺激する経済成長モデルが来年も続くだろうと見ています。
「かつての『構造調整』というのは、ミクロの概念だった。でも、マクロ経済の調整からはじめたほうがいいと思う。たとえば、今までの経済成長モデルは、投資に頼ってきたものだが、今後は消費、投資、輸出入が共に重視されるようになる。内需拡大の重点は消費の拡大だ。今後の政策も消費の拡大に重点が置かれるだろう。」
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