国連経済社会局は2日ニューヨークの国連本部で年次報告書『2010年の世界経済状況と見通し』の中の主要データを発表し、「金融危機を経て、世界経済は2010年から徐々に回復するが、再び危機に陥るリスクがあるため、経済刺激案の早期撤回をできるだけ避けるように」としています。
『世界経済状況と見通し』は国連が発表する重要な経済報告の一つであり、国連経済社会局、国連貿易開発会議および5つの国連地域経済社会委員会により毎年の1月に発表されます。2日に発表された主要データによりますと、世界経済状況は2009年の第2四半期から好転し始めていることが、投資市場の回復、国際貿易や工業生産の成長などから読み取れます。第3四半期に入っても、この勢いが継続しました。しかし、年初の大幅な下落により、年間生産高は2.2%減少する見込みだということです。
報告によりますと、主要経済体が大規模な経済刺激策をとったため、2010年世界経済は回復し、経済成長率は2.4%ぐらいを維持しています。そのうち、発展途上国の成長がもっとも早くなり、2010年発展途上国の生産量は5.3%増え、2009年より1.9%増える見込みです。中国とインドの経済成長率はそれぞれ8.8%と6.5%となる見込みです。
一方、アメリカの経済は2010年2.1%の成長率となる見込みです。EUと日本の経済回復はより遅くなるとしています。経済回復のスピードが遅いため、主要な先進国は世界経済の成長にとって大きな推進力にならないと見ています。
さらに、貧困国は、経済危機前の成長期と比べて、今後数年の経済成長がさらに遅くなる見込みで、貧困撲滅の道のりはまだまだ長くなります。
報告書は2010年経済の前途を楽観視していると同時に、警告を発し、「世界経済は依然として再び危機に陥いるリスクがある」としています。経済の回復は、2008年末、各国が発表した大規模な経済刺激策が大きな要因です。現在、世界経済は、回復の重要な段階にあり、経済回復のアンバランス、持続可能な成長を実現させる条件はまだ整っていません。各国政府にとって、現在最も重要な任務は、現在の経済刺激策の実行を維持することです。もし各国政府が二つの経済政策問題をよく処理しなければ、再び危機に陥いる可能性があります。一つ目は、金融機構の破綻を防止する刺激措置の早期取り消し、二つ目は、世界マクロ経済のアンバランスによるリスク、特にアメリカが持っている膨大な財政赤字と財務がいったんドルのハードランディングをもたらすと、新しい金融危機が発生するだろう。報告は、「より多くの経済回復のシグナルが出るまで各自の財政刺激策を維持するべきだ。就業率の成長および私営経済の成長指数の好転などが見られるなど」と提案しています。(翻訳:ooeiei)
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