『観音山(ブッダ・マウンテン)』が北京でプレミア上映会
主演の範氷氷(ファン・ビンビン)に大注目
昨年の東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞に輝いた李玉(リー・ユー)監督の最新作『観音山(ブッダ・マウンテン)』のプレミア上映会が2月27日に北京で行われました。「2011年中国映画界に差し込んだ一縷の光」「朝の露のように輝かしい作品だ」と業界内でも好評だったこの作品ですが、主演の1人・範氷氷(ファン・ビンビン)が披露した迫真の演技も絶賛されています。「範氷氷が弱冠20歳の生徒役を演じると聞いたとき、心配していたが、映画を見終わった後、彼女のことを見直した」という評価も。
喜劇シリーズ『武林外伝』などで知られる中国の脚本家・寧財神が映画鑑賞後、自身のブログでこのように綴りました。「観音山:①悲しみが思わずこみ上げてくる映画。②遣る瀬無い青春の日々を記録した映画。③シルヴィア・チャン(張艾嘉)は貫禄十分。④範氷氷は絶好調。⑤優れた作品。⑥個人的な意見で、好き嫌いは君次第だ。」
範氷氷はこの作品で東京国際映画祭の最優秀主演女優賞も獲得しました。キャスティングのきっかけなどについて制作側にも話を聞きました。
「主人公は22歳の女子生徒、中国の第1線で活躍中のトップ女優のうち、範氷氷(ファン・ビンビン)は割りと若くて、役のイメージに近いからだ。また、当社のこれまでの作品に彼女を起用したことがあるので、お互いのペースにも慣れている」ということです。
2010年台湾の最高権威である映画「金馬奨」の最優秀編集賞を受賞した曾剣も「頭がよくて、柔軟性のある役者だ。こなせる役も多いし、立ち位置や光線など撮影の細かいことまで気づいてくれる気配りのいい女優だ」と範氷氷を高く評価。
範氷氷は女優デビューからの10年間、映画出演に精力的で、数々の役をこなしてきましたが、『墨攻』『東風雨』『趙氏孤児』『新少林寺』など男性が中心となる作品への出演も多く、代表作といえるような映画はまだありません。しかし、今回『観音山(ブッダ・マウンテン)』では、映画に魂を注いだといえるほど大きな存在感を放った範氷氷に対しては「見直した」との声が圧倒的でした。これにより実力派へと着実にステップアップしたことは間違いありません。
範氷氷のそんな実力を見出したのは、中国人女性監督の李玉(リー・ユー)。前作の『苹果』でタッグを組んで以来、『観音山(ブッダ・マウンテン)』は2回目。息のぴったり合った2人には、互いに信頼関係も出来ているそうです。「目つきからちょっとしたしぐさまで、範氷氷のこの映画での演技は、本当にに魅力的で、人の目をひきつけるような雰囲気がある。言葉に出来ないような何かが彼女の体に宿っているみたいな感じだ。長年女優をやっていた経験もあるからだと思う」と李玉(リー・ユー)監督。
「範氷氷本人=主人公・南風、はまり役だ」との声は東京国際映画祭の審査委員からも上がっています。本人にも話を聞いてみました。「自由奔放な役で、何不自由なく表現することが出来るのだ。自分も似たような経験があるから、実生活に基づいたものもある。自分と同じような若者の共感を呼ぶだろう」と役作りに臨んだ心境を明かしました。
中国で文芸作品と商業作品と大きく映画のジャンルが分かれていますが、これについて範氷氷は「それぞれの価値観があって、同じく芸術だと思う。これから共存していく傾向もある」と語るも、『観音山(ブッダ・マウンテン)』のような文芸作品への出演はいつでも興味深深だそうです。(翻訳:コオリ・ミン)
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