中国映画であまり目立たない存在のアニメ映画が今年の旧正月(春節)に彩りを添えそうです。先陣を切った人気シリーズの第3弾『喜羊羊与灰太狼(Pleasant Goat and Big Big Wolf)之兔年頂呱呱』に続いて、中国初の3Dアニメーション映画『熊猫総動員(LITTLE BIG PANDA)』が2月3日に劇場公開されることが決まりました。ディズニーのアニメーション制作に匹敵できるような作品として期待が高まっているところです。また、春節期間に上映されることから、親子そろって楽しめる作品にもなりそうです。
『熊猫総動員』中国語版ポスター 「3D」が目玉 |
主人公の「パンディー」 |
【ディズニー・スタッフが全面的にバックアップ】
低年齢層向けの『喜羊羊与灰太狼(Pleasant Goat and Big Big Wolf)』シリーズに比べ、『熊猫総動員』は全年齢層向けの作品といえるでしょう。制作スタッフには、『ライオン・キング』などでおなじみのディズニー・スタッフも参加しています。この作品のグレッグ・マンウェリング監督によりますと、『熊猫総動員』のストーリーは、名作アニメ『バンビ』に似ていて、友情や家族愛がテーマで、旧正月の一家団らんの雰囲気にぴったり合っているということです。
ディズニーアニメを髣髴させるような英語版ポスター | 英語版ポスター、主人公の「パンディー」 |
【手書きによる3Dアニメ】
『熊猫総動員』は春節期間に上映される唯一の3D映画としても注目を集めています。今回のアニメーション制作に当たっては、すべての絵がスタッフの手書きによるもので、より繊細な画質を実現したほか、背景には中国水墨画の趣向も凝らしているということです。
【名声優が勢ぞろい】
趙忠祥(ジャオ・ジョンシャン)、李揚(リー・ヤン)をはじめ、何炅(ホー・ジョン)、謝娜(シェ・ナー)、李維嘉(リー・ウェイジャ )など声優界で活躍している14人がこの作品に参加しており、アニメ史上最強の声優陣となっています。また、周星馳(チャウ・シンチー)の北京語専属声優・石班瑜やスポーツ実況でおなじみの韓喬生、黄健翔もゲスト出演しているため、さまざまな「声」が楽しめる作品としても期待されています。
【中国映画史上、最高額のパンダ映画】
『熊猫総動員』は中国とドイツの共同出資によるもので、総投資は3.5億元(約42億円)を計上し、中国アニメ映画史上、最高投資を記録しました。また、この作品には世界各国のスタッフが集まっており、制作には約6年間かかったということです。プロデューサーによりますと、この作品は、技術開発だけでも6000万元を費やしたということで、中国アニメ映画の「一里塚」になりそうです。(コオリ・ミン)
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