7月1日は香港が中国に返還されてから15周年の記念日に当ります。15年前の1997年7月1日、香港は百年にわたるイギリスの殖民統治が終わり、祖国に戻りました。この15年来、香港社会は安定し経済が繁栄し、まるで美しい真珠のように、南海で輝いています。

　6月に入り、香港では多くの祖国返還15周年の記念イベントが相次いで行われ、お祝いムードに溢れています。国際軍楽公演、文芸の夕べ、花火大会などの大規模イベントのほか、香港の各地区でもカーニバル、ビーチコンサートなど様々な催し物が開催されました。

　また、中国各地も様々な祝賀イベントを行い、香港特別行政区政府成立15周年をを祝っています。さて、今回の中国メロディーはこれにちなんで、香港返還に関する音楽をご紹介します。中国各地の人々が香港返還15周年を祝う喜びをご紹介しましょう。曲は「东方之珠（東方の真珠）」、「百年沧桑（百年の変遷）」、「喜神过香江（喜びの神、香港に来る）」、「安晴（調和）」の４曲です。

1曲目　　「東方之珠（東方の真珠）」

　香港は世界で有名な自由貿易の港で、旅行・買物の天国と言われています。特に、香港の夜景は別名「東方の真珠」とも呼ばれるほど美しいです。 香港島には多くの高層ビルが建ち並び、飛行機に乗って香港の夜景を眺めると、夜景全体がこちらに向かってくるかのような錯覚に陥ります。

　「東方之珠（東方の真珠）」と言う歌は1980年代に創作されたもので、1986年、中国台湾の名歌手・羅大佑さんに歌われた後、大ヒットしました。素敵なメロディ－と歌詞が多くの人を感動させるこの歌は、香港を恋人に喩え、曲の中でその変遷を振り返り、今の美しい姿を讃えること、そして彼女を永遠に見守る誓いなどがあります。更に香港が祖国に返還されることを期待する気持ちを表しました。感動的な一曲ですね。学生時代にこの曲を初めて聞いた時の感激を今でも覚えています。

歌詞

小河は曲がりくねってて南へ流れ

香港まで流れる　見よ

東方の真珠、僕の愛しい人

あなたの姿は昔のままにロマンティックだろうか

三日月が港にうつる

夜の色は深く、ネオンは煌く

東方の真珠　眠らない街

変幻の約束を見守っている

五千年の海風が吹く

一粒ごとの涙は　あなたの尊厳のよう

海の潮は僕と伴にあなたを見守る

永遠に忘れることなかれ　中国の心を

船は巡り巡って港に入る

振り返り望む　はてしない青海原を

東方の真珠　私を抱きしめる

私をそのさびしい胸で暖めておくれ

　永遠に忘れることなかれ　中国の心を

2曲目　「百年沧桑（百年の変遷）」

　この曲は有名な作曲家・朱践耳さんが創作した交響詩「百年沧桑（百年の変遷）」で、香港返還を迎える音楽作品募集イベントで最高金賞を受賞しました。交響詩は「占領」、「苦難」、「目醒め」、「抗争」、「勝利」という五つの楽章からなるもので、中国人民が民族独立のために支配者と戦う長い道のりを表しました。

　番組でご紹介するのは交響曲の第一楽章「占領」の一部です。曲は長大で、重々しく、暗く、音楽という言葉を使って香港がイギリスに占領された苦難の歳月を描いています。

3曲目「喜神过香江（喜びの神、香港に来る）」

　15年前、香港が祖国に返還された当初、全中国の人々はとても喜び、音楽家は多くの素晴らしい音楽作品を作って香港の祖国返還を祝いました。「喜神过香江（喜びの神、香港に来る）」と言う曲はこの時期に創作されたもので、中国の特色ある軽快なメロディーで各地の人々が香港の祖国返還を迎える喜びを表しました。

4曲目　「安晴（調和）」

　香港が祖国に返還されてから15年来、香港人による香港管理という政策が実施されているので、香港市民は落ち着いて生活し、愉快に働いています。最後にお送りするのは香港中楽団が演奏した音楽作品「安晴（調和）」です。

　この曲は香港で有名な作曲家・曾世発さんが香港の祖国返還を迎えるために創作したものです。曲は二つの部分からなり、曲の前半部分は流れるようなしなやかなメロディーと活き活きとしたリズムで活気に溢れる香港の光景を表しました。後半部分の旋律は中国伝統音楽の五声音階をテーマに、平和と安定を表現しています。そして最後は楽しい雰囲気の中で終わり、香港が祖国返還を迎える喜びを表しました。

　この番組へのご意見・ご感想などがございましたら、ぜひお聞かせください。

（ナビゲーター　黄競）

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