広大な中国の大地は56の民族を育んできました。そして、この大地に生きる各民族と各地域の特色ある音楽は多彩な中国の音楽世界を作りました。優雅な江南地区の伝統音楽や情熱的なモンゴル草原の響き、華やかな京劇、そして西南地方の少数民族の美しいハーモニー・・・・・・。この番組では中国各地の心を揺さぶる旋律と音色をご紹介していきます。皆さん、ご一緒に中国民族音楽のルーツを探りましょう。
9月12日は中国伝統的な祝日・中秋節に当ります。中国では中秋節は春節(旧正月)に次ぐ二大節句で、3日間の連休となりました。また各地で様々な伝統的な祝賀イベントも行われています。さて、今日の中国メロディーは中秋節にちなんで、月を讃える素晴らしい伝統音楽をお楽しみ頂きたいと思います。
毎年、旧暦8月15日は中秋節で、秋のちょうど真中にあたるために、「中秋」と呼ばれています。また丸い月を家族団らんの象徴と考え、「団円節」とも言います。この日は家族が集まり、「月餅」(げっぺい)や果物などを食べながら、空を浮かぶ名月を観賞し、楽しくお喋りしながら盛り上がります。
中国には中秋節にまつわる美しい伝説があります。昔々、空には10個の太陽がありました。地上は焼け付くように暑く、農作物や木々が枯れて、人々は暮らせなくなってしまいました。その時、後羿(コウゲイ)という英雄は弓矢を使って、10個の太陽のうち9個を射落(いお)としました。こうして気候が安定し、人々が平和に暮らせるようになったのです。崑崙山に住む女神・西王母はこの褒美として、後羿に不死の薬を与えました。彼はその薬を美しい妻・嫦娥に預けたのです。しかし、嫦娥は8月15日にこっそりその薬を飲んで、ひとり月に上り、月の精となってしまいました。
嫦娥が月に行った後、後羿は日々心を痛め妻を想いました。そして毎年8月15日になると、妻が好きな果物を供えるようになったのです。こうして中秋節になると、故郷を離れる人々は月を愛でながら、遠方の家族と友人を想う慣わしが生まれたのです。
今日の中国メロディーは月を讃える素晴らしい伝統音楽を特集しました。番組の中でご紹介したのは「彩雲追月(彩られた雲が、月を追う)」、「霓裳曲(ゲイショウ曲)」、「月児高(月、高い)」の3曲でした。
「彩雲追月(彩られた雲が、月を追う)」という曲は中国広東地方の伝統音楽の代表曲の一つで、軽快なメロディーは、祝日の夜、一家団欒の喜びを生き生きと表現します。
「霓裳曲(ゲイショウ曲)」という曲は8世紀、唐の時代の皇帝・李隆基は夢の中に出てきた月の宮殿で、仙女が奏でる曲を聞いた後に創作した曲そうです。豊かなリズム、そして舞踏曲を思わせるメロディーは曲は仙女たちが舞う月の宮殿の世界を表現しました。
「月児高(月、高い)」と言う琵琶の曲は叙情的で優雅な美しい旋律で、月が海から昇り、西の山に沈む様子を美しく描き出しています。曲の中に広々とした海面、広大な野原、それに伝説の中の月の宮殿など場面を生き生きと表現しました。
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