二胡の胡に琴と書く胡琴は中国の伝統的な弦楽器の総称です。胡とは古代の中国北部と西部地方の少数民族の総称でした。元はこの地域の音楽を胡楽といい、胡楽を演奏する楽器を胡琴と呼んでいました。その後、各種の弦楽器の発展に伴い、胡琴は中国の伝統的な弦楽器の総称となりました。胡琴の仲間の中には二胡の外、京胡、高胡、墜胡、板胡などの数十種類の弦楽器があり、これらの弦楽器の形や音域、音色、演奏技法は異なっています。
丁魯峰さんは中国の多くの弦楽器に精通している数少ない弦楽器演奏家の1人です。丁魯峰さんは1940年代に有名な音楽一家に生まれ、父・丁璫さんは中央音楽学院の元二胡教授でした。丁魯峰さんは9歳から父親について二胡を学び始め、中央音楽学院の少年クラスに入った後、二胡の名家・劉明源氏に師事し、しっかりとした民族音楽演奏の基礎を築きました。大学卒業後は、中央民族楽団の二胡のコンサートマスターを担当しました。
「胡琴伝奇」というアルバムには丁さんが演奏した弦楽器の名曲10曲が収録され、この10曲はそれぞれ 二胡、板胡、高胡、墜胡、馬頭琴など10種類の伝統的な弦楽器が使われています。丁さんは各ジャンルの音楽作品の芸術的な表現力、異なる弦楽器を操る超絶技巧、どれをとっても絶妙な域に達していると言えるでしょう。
アルバムの中の「美麗的塔什庫爾幹(美しいタシュクルガン)」という曲は丁さんが作曲、演奏した板胡の独奏曲で、1980年中国文化省楽器演奏コンクールで演奏部門の1等賞、作曲部門の3等賞を受賞しました。
今日の中国メロディーは、中国の有名な弦楽器演奏家・丁魯峰さんが演奏した作品を特集してお送りしました。番組の中でご紹介したのは「ニ泉映月(二泉に映る月)」、「美麗的塔什庫爾幹(美しいタシュクルガン)」、「万馬奔騰(疾走する万馬)」の3曲でした。(hj)
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