『我們仨』（私たち三人）

　今回の「CRI書店」で皆さんに推薦する本は、中国の有名な作家・翻訳者・学者である楊絳さんが書く家庭生活についての回顧録――『我們仨』（私たち三人）です。

　楊絳さんは銭鐘書さんの奥さんです。夫の銭鐘書さんは、中国近代の著名な学者・作家。数カ国の外国語に精通したほか、文学創作や学術研究などの面でも卓越した貢献をしました。代表作は、『人生を書き写す』『人・獣・鬼』『囲城』『宋詩選』『管錐篇』『槐聚詩存』などです。そのうち、小説『囲城』は多くの外国語に翻訳され、出版されました。

　
家族の普段の写真

　銭鐘書・楊絳夫婦は、中国の文化・学術界で高い評判を博しますが、彼らの家庭生活はあまり知られていません。1997年に銭鐘書・楊絳夫婦の唯一の娘さんは亡くなり、1998年12月、銭鐘書さんも亡くなりました。一生の伴侶、唯一の娘を相次いで亡くし、楊絳さんの晩年の境遇は私たちには想像もできません。2003年、92歳になった楊絳さんは、心を込めて、この特別な家族の63年間を記述して、この回顧録『我們仨』（私たち三人）を作りました。