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広西チワン族自治区の少数民族

2009-08-28 14:32:05     cri    

 中国西南部に位置する広西チワン族自治区は少数民族がもっとも多い地域です。ここにはチワン族、漢族、ヤオ族、ミョ族など56の民族が暮らしています。ここではチワン族の舞踊やジン族の美しい「独弦琴」の演奏を楽しむことができます。少数民族の文化がしっかりと守られているということは、ここに住む少数民族が互いに仲睦まじく暮らしていることの証でもあります。

 広西チワン族自治区、崇左市大新県宝圩郷板価屯には板価人が暮らしています。板価人はチワン族の傍系であり、その衣服や慣わしは周辺に住むチワン族と大きな違いがあります。板価人の女性は普段、長いスカートに短い上着を着ます。そのため、短い衣服と書く「短衣」チワン族とも呼ばれています。板価人の文化には、5色のもち米ご飯や餅つきの習慣、布織りなどチワン族の古い伝統が残っています。そのほかにも、客をもてなす時や見送る時の歌、酒を勧める歌、子守り歌などが伝わっています。

 今年68歳の農廷興さんは板価村の短衣チワン族文芸団の団長です。短衣チワン族の文化はここ数年、山奥から国内外に伝わりました。農さんの話によると、短衣チワン族の文化を保護・普及するにあたり、政府の大きな支援を得られたそうです。農さんは「政府は民族活動を非常に重視し、崇左市大新県民族局は経費の面で補助してくれ、公演やコンクールへの参加の手配もしてくれました。昨年、私はめでたいことが3つありました。まずは、自分が自治区民族団結先進労働者に選出されたこと。次に、私が率いる文芸チームが自治区の優秀文芸チームに選ばれたこと。最後は、わが家が自治区の文化模範家庭に選出されたことです」と話してくれました。

 また、崇左市の蒋連生副市長の紹介によると、崇左市のチワン族の人口は市全体の88.5%を占めています。崇左市において、少数民族の文化がしっかりと守られているのには、次の3つの理由があります。まずは中央政府の民族政策が着実に実施され、中央財政による補助金が即時に支給されること。次に、地方政府が少数民族の習慣を非常に尊重しており、各民族の間に家族のような一体感が形成されていること。最後は、ここ数年、中国とベトナムなどASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国との関係が強化されたため、良好な国境環境がつくられたことがあります。

 広西チワン族自治区では民族文化の保護に対する意識が大きく向上しました。広西チワン族自治区東興市のジン族三島に暮らしている自治区レベルの無形文化遺産「独弦琴」の演奏者・蘇春発さんは、歴史があり貴重な「独弦琴」の発展に力を尽くしてきました。「独弦琴」は竹でつくったジン族の古くから伝わる楽器です。独特な手法で1つの弦を弾いて、 優雅な曲を奏でることができます。表現力に富み、叙情的で長く伸びる旋律の演奏に適しています。また、独奏や伴奏、合奏にも用いられます。

 蘇さんは1990年代の初めから自費で「独弦琴」教室を始めました。これまでに200人余りの学生を教えてきました。その中には、ジン族や漢族、チワン族などさまざまな民族が含まれています。

 伝統文化は1つの国の歴史や発展の記録です。中国政府はこれまで、少数民族の文化・芸術の保護に努めてきました。イタリアの記者趙生徳さんは、広西チワン族自治区に取材に行った際、地元の少数民族が今も伝統的な風習を残していることを知ったそうです。趙生徳さんが取材の中で最も驚嘆したのは、人々の日常生活が楽しく愉快なものだったということでした。それは民族の伝統を尊重してきたからであり、科学技術の進歩のために自身の風俗を変えてしまうようなことはしなかったからに他なりません。(翻訳:トウエンカ)

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