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世界文化遺産の安徽省西ディ村を訪ねる

2009-10-05 17:31:01     cri    

 中国安徽省の黄山は、世界文化遺産、世界自然遺産と世界地質公園といった三つの名称が授けられた観光名所です。この黄山のふもとには、つい最近まであまり知られていなかった村があります。ところが、ここ数年、訪れる観光客が急激に増えてきています。それは、この村が世界文化遺産リストに登録されたからです。登録されたのは中国古代の住宅群、西ディ村です。

 西ディ村は、北京から南へおよそ1400キロ離れた、安徽省の南部の黄山市のイ県にあり、今日まで960年の歴史があります。ここの村人の祖先は、唐の時代の皇帝、李世民の子孫で、中原地域、つまり今の河南省で起こった戦いから避難するため、ここに逃げてきました。明と清の時代には、ここの人々は商業に携わるようになり、多くの人は豊かになりました。これらの人々は中国古代経済史においては、安徽商人と呼ばれています。安徽商人は、あちらこちらで稼いだお金を、古里に持ち帰ってきて、立派な屋敷を建てました。これらの屋敷は山の奥にあったので、古代から続いた数々の戦乱からも守られていきました。ここの村人は、先祖代々のしきたりなどをきちんと守って、古い屋敷に住み続けたために、今日まで建物がきちんした姿で残ってきたのです。

 西ディ村では、普通の建物でも300年か400年の歴史があります。外国の観光客がここにやってきて、これらの古代建築を見て、建物の歴史に驚きます。

 安徽省の人々は、屋敷を建てる際、彩りを大切にしていました。白い壁と黒い瓦は、緑濃い山ときれいな青い湖に映える彩りと考えられていたのです。これらの色の組み合わせによって、人が造った構築物が自然の風景に溶け込み、一体化して静謐さが生まれました。ここの建物のもう一つの特徴は、建物の屋根の真ん中にすっぽりと穴があけられ、独特の天井となっています。この特徴について、イ県の安徽文化研究所の余治淮所長は、次のように述べました。

 「この建物に住めば、昼間は、青空や白い雲を見られる。夜は星や月などを見られる。雨や雪などが降れば、屋敷の天井から下に落ちてくる。安徽省の人は、雨を黄金とし、雪を銀にたとえている。そうして、雨や雪のように本当の金や銀の宝物がすべて自分の家に集まってほしいと願っているのだ。一部の天井のしたでは大きな池が作られ、火事を消す防火用水を貯める役割を果たすほか、日照りが続く夏の季節には、室内の空気の温度と湿気を調節することもできる」

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