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中国有名な軽食、江蘇省徐州市のサ湯

2009-03-10 15:59:05     cri    

 中国東部の江蘇省に徐州という町があります。この町は歴史と文化の古い地域です。徐州は古代から戦争時に軍事必ず戦場になった要衝です。数千年の歴史に加え、食文化も豊富です。

 サ湯は、徐州市民の大好物で、徐州市内どこでも食べられますが、本場の味を味わいたいならば、やはり解放南路にある馬市街サ湯店に行かなければなりません。朝6時から、市民もすでに長い行列を作って待ち始めています。一方、店の中はお客さんでいっぱいでとても賑やかです。この光景は、一年中変わりがありません。

 サ湯は見た目はあまり美味しそうではありません。スープの色は灰色、ねばねばしていてで、卵も入っています。箸でかき回すと、香りが立ち上ります。飲んでみると、香りが口の中にいっぱい広がり、美味しいです。

 サ湯は、お椀に入れて売られています。一杯1.3元(19円)、安くて美味しいので、徐州の市民は、毎朝これを飲みます。今年50歳の市民林さんは、時々80歳のお母さんを連れて馬市街サ湯店に来てサ湯を飲みます。サ湯について林さんは次のように話してくれました。

 「小さい頃からこのサ湯を飲むのが好きです。我が家みんなサ湯が好きです。このスープは美味しくて栄養もたっぷり、徐州地域を代表する軽食です。ほかの地域の友達がここにやって来ると、必ずこの店につれて来て、サ湯をご馳走します」

 馬市街サ湯店は三階建ての建物で、その一階ではサ湯だけを食べられます。二階では、サ湯のセットが食べられます。三階は個室です。この店の副店長、殷永信さんによりますと、毎朝5時から営業を始め、午後の2時まで終了です。本店のほか、近くのコミュニティに支店が3軒あります。合計でお客の数は毎日3千人近くになります。

 殷永信さんの話です。

「本店は一日、サ湯を1800人前を作ります。支店もそれぞれ数百人前を作ります。あわせて一日平均で2800人前近くを作っています」

 古代、徐州は彭州と呼ばれていました。伝説によれば、ここは中国の料理人の元祖である彭祖の領土だったそうです。徐州サ湯の歴史も彭祖の物語とかかわっています。およそ4300年前、帝が病気に罹りました。彭祖は野生の鳥と漢方薬、穀物でスープを作り、帝に差し上げました。帝はこのスープを飲んで、病気が治りました。帝はとても喜んで、徐州という土地を彭祖に授けたということです。この野生鳥のスープは、中華第一のスープとも称えられました。

 では、今、市民が飲むサ湯は古代の野生鳥のスープとどんな関係があるのでしょうか。これについて、徐州市料理協会の王文正顧問に話しを伺いました。

 「実はこの二つのスープは同じものです。古代の書物では、全部野生の鳥のスープと記されていますが、民間では徐州の人々は方言でこのスープをサ湯と呼んでいます。サという文字も当て字です」

 数千年が経った今日、サ湯作りで使用される食材も豊富になりました。野生の鳥の代わりに地鶏、昔の穀物の代わりに新しい穀物が使われるようになりました。サ湯の作り方もマニュアル化され、きちんと行われています。これについて、副店長の殷永信さんは、次のように述べました。

 「食材はすべて厳選されたものです。スープに使用される鳥は全部地鶏です。それに豚の骨、穀物、漢方を入れます。すべてマニュアルどおり行われます。毎日、数十時間スープを煮込みます。翌日骨など食材を粉にして、調味料と小麦粉などを入れてさらに煮こんでこのスープを仕上げます」

 実はこのスープを作るにはもう一つのコツがあります。厨房で使われる鍋が特製なんです。鉄鍋の耳のぐるりは柳あるいは杉の木材で包まれています。役割としては、鍋の容量を広げ、鍋の温度を保つほか、木材の独特な香りも加わり、スープの味がさらに美味しくなります。

 美味しくて栄養が豊富なので、1997年、サ湯は中国料理協会から、「中国著名軽食」という称号を授けられました。1999年11月、馬市街サ湯店は国家商標局に「馬市街サ湯」を登録しました。2006年徐州の市民によって、サ湯は徐州の代表料理に選ばれました。

 実は、徐州市民だけではなく、故郷を離れた徐州出身の人にとってサ湯の味は、故郷の代表です。殷副店長の話では、2007年清明節前日、親子が店にやってきました。この親子は10数年前に徐州を離れました。今回はお墓参りのため帰ってきましたが、お母さんはぜひもう一度サ湯を飲みたいと、娘を連れて店にやってきました。

 サ湯をより多くの人に味わってもらうため、徐州料理界の人々はいろいろな味を開発したり、真空パックにしたりして、全国でも販売できるように努力しています。

 皆さん、徐州を訪れたらぜひ徐州の軽食の代表、サ湯を召し上がってください。(担当:任春生)

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