中国の娯楽産業調査会社である芸恩咨詢(EntGroup)がこのたび発表した最新データ「2012-2013中国映画産業研究報告」によりますと、2012年に製作された中国の劇映画(フィクション映画)は745本で、うち全体の31%に当たる231本しか劇場で正式上映されていませんでした。しかも、この数字は近年で最も高い比率だといいます。この情けなくなるようなデータが生まれた背景には、星の数ほどいる映画関連事業者や数十系列の映画館チェーン、絶え間なく拡大する関連産業があります。「法制晩報」が伝えました。
2012年末までに、中国の都市部には46系列の映画館チェーンが生まれました。これは2011年同期比で7系列の増加であり、中国の映画館チェーンは4年連続で増加しています。この主な要因は、2010年から大量資本が末端の上映業に流入し始めたことで巻き起こった映画館投資ブームの初期的な現象です。一方、新たに増えた映画館も新しい映画館チェーンと資本を統合することで、管理力や運営効率を高めました。特筆すべき点は、46系列の都市部の映画館チェーンの中で、2012年の興業収入が1億人民元(約15億2300万円)を超えたものが25系列、5億人民元(約76億1500万円)を超えたものが11系列、中でも万達映画館チェーンは通年で24億5100万人民元(約373億2873万円)の興業収入を上げて興行成績に貢献しました。これは、全国の37.3%を占め、すでにアジア地区最大の映画館チェーンとなっています。
業界内の推計によりますと、市場投資の理性化に伴い、映画館チェーンの競争も激化し、2013年のスクリーン数と映画館チェーン数の成長率はさらに低下する見込みだという。しかし、それにもかかわらず、今年の年末の中国国内のスクリーン合計数は恐らく1億5000スクリーンに上る見込みで、2007年のスクリーン数(3527)の5倍にも達しています。
統計によりますと、2012年に中国が製作した映画は893本(アニメ・教育映画などを含む)で、うち劇映画が745本。しかし745本のうち、最終的に映画館で公開されたのは、全体の31%に当たるわずか231本。これでも過去最高の占有率といいます。業界の関係者は「映画を製作しても観客に見てもらえないのでは、どの角度から議論しても、巨大な資源の浪費としか言えない」と率直に語っています。
2012年の中国映画の観客動員数は延べ4億6000万人に達し、2000年以来の最高記録を更新しました。しかし中国の総人口の対比からいうと、この数字はまだ低すぎます。今年1-2月の全国映画市場は突如大ブレイクの様相を見せ、2カ月間の観客動員数は1億人を突破、うち2月14日の1日の観客動員数は420万人にも達しました。大胆な仮説を述べますと、もし1日平均の観客動員数が420万人に達した場合、1年の観客動員総数は約15億人に達します。業界関係者の予測によりますと、今年の映画市場の1-2月の状況が今後も継続できるのなら、1年の観客動員数は延べ7億人に達し、総人口の半分を占めることになります。つまり、2013年はすべての中国人が1年に0.5回ずつ映画を見る計算になります。一方、米国人が1年に映画を見る回数は平均6回です。
米国と比べ、中国にはまだまだ大きな伸び代が残されていますが、今後の中国国産映画にとって鍵となるのは、数ではなく質を高めていけるかどうかです。製作者は観客の需要と嗜好を把握する必要があり、自分自身の嗜好と考えだけで製作してはいけません。
国家広播電影電視総局の担当者は「2012年で興収2億人民元(約30億4600万円)を超える中国映画は米国の輸入映画と比較すると数も少なく、競争力も相対的に低い。5000万元(約7億6150万円)から2億元の興収を得た「中ヒット」映画では、中国映画は比率でリードしているが、映画の質がバラバラで、評判と興収が釣り合っていない」と語っています。この現象は中国映画にとって核心となる創作力の弱さという問題点を浮かび上がらせており、似たような映画が数多く製作される中、多様性のある映画を創作するなどの点でより一層レベルを高める必要があります。これ以外にも、中国映画のデジタル製作技術は明らかに遅れており、関連技術を持つ人材も欠けています。映画技術の水準および管理体系も整備されておらず、経済利益が優先される中で製作される偽3D映画への効果的な規制も行われていません。(人民網から)
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