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「光盤運動」VS「中国式食べ残し」

2013-02-06 15:11:12     cri    

 あと3日で旧正月・春節を迎える中国では、感覚的には今が年の暮れです。この時期に欠かせないのが、1年間、一生懸命働いてきた人びとが友人や家族とテーブルを囲んでおいしい料理を食べて、団らんを楽しむことです。日本で言えば忘年会のようなものです。しかし、そうした食事が終わった後、いつもテーブルに大量に料理が残されることが多いことから、そうした中国式の「食べ残し宴会」に反対する運動が最近、ネットで流行ってきました。

 中国人の宴会が終わった後のテーブルには、たくさんの料理が残されています。外食産業の食べ残しは驚くべき量で、中国のレストランで1年間に捨てられる残飯は2億人の1年間の食事量に匹敵する2000億元(およそ3兆円弱)にも上るそうです。

 日本人は出された料理は残さないことが美徳とされているんですが、どうして中国人は料理を残すんですか?これは「面子(メンツ)」を重んじる中国の文化と深い関係があります。お客さんに食べきれないほどたくさんのごちそうを出す事がもてなしだとされていますから、残らないといけないわけです。そこで豪華な宴会であればあるほど、必ず食べ残しが出るわけです。

 これって実は、腹一杯食べることが難しかった時代の名残ですよね。日本でも昔は貧しい地方であればあるほど、お客に山盛のご飯を出したと言いますから。

 この問題は、実は1980年代からずっと議論されてきましたが、根本的になくすことは難しいといわれています。それと、自分のお金ではなく、公金による飲食も無駄の大きな原因の一つです。だから、今や贅を尽くした盛大な宴会による接待は時代遅れで、品のない愚かな行為だという方向に世論を盛り上げていくべきです。質素で節約型の食生活はエコなライフスタイルとして、環境保護にもつながりますし、世界に通じる価値観ですから、時代の流れです。

 最近、上海や広州のレストランで撮影された「食べ残し」の写真がネットにアップされ、大きな反響を呼びました。飲みもの代を除いても5000元(約7、8万円)はする豪勢な宴会料理で、誰も手をつけていない蟹やら鶏や魚が丸ごと残されていることもしばしば。この話題がネットで沸騰し、23日午後3時の時点で中国のツィッターことウェイボーでは関連コメントが11万件に上りました。今、CCTVなど主流テレビはこの話題を集中的に報道していますね。

 このようなもったいない宴会に反対するため、「きれいに食べきったお皿」を意味する「光盤運動」を呼びかける人も少なくありません。それを呼びかけるボランティア団体まであるそうです。「残さず食べきって節約、残さず食べきるボランティア。無駄に反対、食糧を大切に!行動を起こそう、今すぐに!さぁ、あなたも」という標語を掲げた北京市のボランティア団体の活動は多くのネットユーザーから支持を集めています。

 芸能界からも有名人が多数参加し、「食べきり運動」は今や飲食業界も巻き込む盛り上がりを見せています。ウェイボーでは一時、残さずきれいに食べきったお皿と、食べきれずにテイクアウトした料理の写真を披露することが一種の「流行」になったほどです。

 中国商務省と観光局は既に、レストランなどでの顧客の浪費を戒め、健全な消費を促す運動を展開することを決めています。最近、山東省の済南市や江蘇省南京市などの多くのレストランでは「ハーフサイズ」の料理を提供し、これまでの注文しすぎによる食べ残しと廃棄を減らそうとしています。こうした「ハーフサイズ」の料理はお客に好評で、これまでより40%、食べ物の廃棄を減らすことができるといいます。済南市では料理の「ハーフサイズ連盟」を結成し、より多くの飲食店が同様の取り組みを行うよう呼びかけているそうです。

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