中国人の暮らしで、今でも最も大事な祝祭日は言うまでもなく旧正月の春節です。昔は春節の1か月も前から年越しの準備に入り、お祝いは旧正月の十五日まで続きました。今は、大みそかから7日間の大型連休で休みは明けますが、年越しのお祝いムードはなんとなく旧暦の十五日まで続きます。
2013年の春節(西暦2月10日)にどのような新しい動きがみられたか。5つのキーワードで振り返ってみましょう。
■春節の夕べ
大みそかのCCTV(中国中央テレビ)で放送される「春節の夕べ」は日本でいうと、「NHK紅白歌合戦」のような番組です。今年は全国で7億5千万の人が見ていたといいます。
今年の「春節の夕べ」には、初の外国人女性歌手としてカナダのセリーヌ・ディオンが招かれました。このほか、ギリシャ出身のピアニスト、シンセサイザー奏者のヤニー、トルコのダンサーなど海外のアーティストがたくさん招かれ、外に目を向けるようになった中国の視線が強く感じられました。CCTVの番組のみならず、各地方局でも外国人アーティストを招くようになっています。たとえば、昨年、あの馬ダンスで世界に旋風を巻き起こした「江南スタイル」の韓国歌手のPSYも上海の「東方衛星テレビ」の春節特番に招かれました。
このほか、CCTVのニュースチャンネルでは7日間連続で世界各地の特派員が各国の地理、人情、人々の暮らしをリポートする特集番組も放送されました。
■中国人の海外旅行
昨年、海外旅行をした中国人はのべ8000万人を超えましたが、この春節連休中も多くの人が海外で過ごしました。
中国経済網によりますと、この連休中、旅行社主催の海外旅行ツアーの参加者は延べ400万人に上っており、去年の同じ時期に比べて40%増えています。訪問先の9割がアジアで、人気の高い旅行先はタイ、韓国、香港、マカオ、台湾の順となっています。
タイでロケしたコメディ映画『Lost in Thailand』が昨年末に上映され、爆発的にヒットしましたが、その宣伝効果もあり、この春節連休中、約10万人の中国人観光客がタイで春節を過ごしたといいます。それによりおよそ1億4千万ドルの観光収入がもたらされたということです。
数年前の『狙った恋の落とし方。』(原題: 非誠勿擾)』で起きた中国人の北海道観光ブームをほうふつさせますが、今年は中日関係の冷え込みの影響で、以前は人気訪問先に必ず出ていた日本の名が見られません。共同通信の報道では、2012年10月以降、訪日した中国人観光客を月平均で見ると、昨年同期より30%以上減っており、春節連休中にも目立った変化は見られなかったということです。
ちなみに、昨年、中国人観光客が海外で消費した金額は対前年比35%伸びの850億ドルで、アメリカのエネルギー大手エクソン・モービル社の2012年の売上げの2倍に相当する額となっています。この春節期間中の詳細な数字はまだ発表されていませんが、中国銀聯によりますと、この9日から15日まで銀聯カードの海外取引額は昨年同期より33%増えたということです。
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