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チャイナライフキーワード2012(後半)

2012-12-27 13:55:30     cri    

 2012年もいよいよ終わりに近づいてきました。この一年間を振り返ってみると、一番印象深かったことは何ですか。チャイナライフ、先週に引続き2012年、この一年の、中国人の暮らしに関するホットな話題を振り返りながら、中国の世相を語る「チャイナライフキーワード2012」を発表します!

 【第1位】舌の上の中国

 今年、中国では、ある言葉が大流行しています。テレビも雑誌もネットでも「舌尖上的~(舌の上の)○○」という言葉なんです。実はこの言葉はあるテレビ番組のタイトルをもじったものなんです。その番組とは「舌尖上的中国(舌の上の中国」というドキュメンタリーです。地味なドキュメンタリーでありながら驚異の視聴率をたたき出したこのドキュメンタリーは、今全国の中国人を虜にしています。

 この番組は中国中央テレビ、CCTVが制作したグルメドキュメンタリーで、従来のグルメ番組のように美味しいものを紹介することを目的にしたのではなく、食べ物が中国人にもたらした生活様式、概念、文化を映像によって切り取ったものなんですね。最初の放送は深夜の10時40分から、決してメイン枠ではなかったんですが、初回の放送を終え、2回、3回と放映を重ねるにつれ、口コミで評判が伝わって人気はうなぎのぼりとなりました。

 番組に出てくる、様々な食の素材も、とても魅力的でしたが、食にまつわって地域で暮らす人々の顔が、それぞれに存在感のあるとても、いい顔でしたね。大地に根を張って生きるという言葉がぴったりとくる存在感が、番組に厚みを持たせていましたね。個人的な感想ですけど、番組の中で出てくる、食にこだわり、食と格闘し歴史を作ってきた中国が、なんで食の安全性が問題になるような状況になってしまったんだろうと番組を見ながらずっと思っていましたね。「原点に戻ろうよ!」というのも、この番組の重要なメッセージの一つかもしれませんね。

 【第2位】辰年のベビーブーム

 中国の伝統文化では、龍は皇帝のシンボルで、尊い神の存在でもあります。また、十二支のうち、龍だけは想像上の神獣です。辰年に生まれた子供は将来素晴らしいリーダーになるという言い伝えはよく知られていますので、子供の出世を願っている親たちは相次いで辰年に出産することを選びます。

 中国では、2000年のミレニアムベビーブームと2008年のオリンピックベビーブームがありました。今年の辰年ベビーブームの勢いは前回を上回る気配がします。一部の産婦人科は一年を通して予約でいっぱいで、北京や上海のような大都市では、公立病院の産婦人科のほか、高級な個人の産婦人病院もどんどん現れています。でも、新しい家族を迎えるのは嬉しいことですが、ベビーブームになると、余計な支出が増えます。また、ベビーブームによる悩みは支出だけではないんです。ベビーブームに生まれた子供たちはよりいっそう激しい進学の競争や就職難、結婚難にぶつかります。これは子どもたちにとって、かなりの負担かもしれません。もともと親は縁起の良さを求めて「将来、わが子が出世しやすいように」と願って辰年に出産したんですが、結局ベビーブームになり、子供がよりいっそう激しい競争に巻き込まれ、出世の難しさもいっそう増すという状況に陥ってしまいます。

 ベビーブームが起こるのは伝統的な考えによるものと見るほかに、ビジネス商戦による影響も無視できません。健康な赤ちゃんが生まれれば、その他の拘りはどうでもいいと思います。家族や自分なりの生活ベースに合わせて出産計画を立てるべきですね。

 【第3位】国考(国家公務員試験)

 中国では、国家公務員試験は年に一度行われます。「国」に「考慮」の「考」と書いて「国考」と言われています。今年の応募者は150万人に達し、そのうち138万3千人の受験資格が審査を経て確認されました。しかし、今年、国家公務員の採用人数は僅か2万人近くで、競争率は65.6倍になります。一部の部署では1万対1の競争率に達したということで、ホットな話題となりました。

 日本の公務員採用試験より競争率は相当高い。公務員に対する人気は中国では、相当なものですね。もちろんその分、競争を勝ち抜くための戦いは熾烈になるわけですね。経済成長著しい中国ですが、一方では大学を出ても、いい就職先がないという、現実もあるわけで、リストラがなく、安定した公務員に人が集まるわけですね。

 イメージ的には、若者たちは自分の夢を追い、安定的な暮らしをあまり好んでいないみたいですね。しかし、いまの若者たちは大学を卒業する前に、すでに安定感のある人生を求めようとしています。すごく理性的で、現実主義になっていますね。これはある意味では、しっかりした考え方を持ち、大人らしくなったと言われますが、一方では、冒険心や好奇心が失いつつあるような気もします。何といっても、現実と夢、そのバランスの維持はそもそも難しいことですね。

 人生はいつも、賭けのようなもので先のことは、わかりません。企業でも、役所でもいいですが、若い時は自分の情熱を燃やせるところ。自分の夢を築いて行けるところ、自分が、ここにいてよかったと思えて、周りの人も、ここにいてくれてよかったと思ってくれるような場所を探し続けていくことが大事だと思いますね。

 【第4位】新しい親孝行の24項目

 今年、中国婦人連合会高齢者協調委員会と全国高齢者委員会などの機関は合同で「新しい24孝」を発表しました。「親孝行」は中華民族の伝統的な美徳の一つで、長い間、「親孝行」に関する24の物語が広く伝わっています。それが、親孝行の24の鉄則『24孝』と言われ、人間としての基本だと言われてきました。いずれも感動的な物語ですが、極端な一面もあります。

 昔の24の親孝行の物語より、新しく発表された「24孝」は時代に合わせて、現代人の生活に相応しいと言われています。例えば、常に家族を連れて実家に戻ることや、祝日と休日はできるだけ親を訪問すること、親の誕生パーティを行うこと、出来るだけ親に手料理を作ってあげること、毎週のように親に電話をかけること、親の話を根気よく丁寧に聞いてあげること。親にパソコンなどの使い方を教えてあげること。親への愛と感謝を常に口に出して伝えること、親を連れて映画館へ行くことなどが盛り込まれています。

 やはり気持ちが大事。新しい親孝行の24項目は強制的な「基準」と思わないでください。一つの目標として、常に親のことを念頭に置けば、その役割を果したと思います。親の立場で言わせてもらえば、「元気でいること」「自分にふさわしい、いい相手を見つけてくれること」「親にべたべたしないこと」「親の金を当てにしないこと」「親に心配をかけないこと」これだけやって、くれれば。もうそれで120点の親孝行。つまり、親に何かしてくれることではなくて本人がしっかり、元気に生きることが一番の親孝行。

 【第5位】定年退職の延期

 今年、中国では、定年退職の延期が大きな話題となりました。いま、実施されている定年退職制度は1950年代に定められたもので、法定の定年退職の年齢は、男性60歳、女性(職員)は55歳、工人(労働者)は50歳になっています。しかし、高齢化の対応策として、これまで60歳の定年退職の年齢を5歳伸ばして、65歳になるという提案が出されました。

 確かに高齢化が深刻になりつつある今日、定年退職制度の見直しも必要となります。でも、定年退職者の年齢を伸ばし、延期する目的は高齢化に対応する措置の一つだけではなく、養老基金のバランスを取るためでもあります。定年が遅くなると、養老金をもらえる時間も遅くなります。養老基金の負担はある程度軽減されると見られます。

 これは日本でも事情は同じ、すでに、日本では中国の養老金にあたる年金の支給開始年齢が、段階的に繰り下げられる措置が始まっています。65歳まで、働きたいかどうかは別にして、その年齢までは自分の財布で食っていかなければならないので大変だと思います。本人の希望と、体力に合わせた仕事の仕方が選択できるようにするというのも、定年の延長を考える上で、大切な視点ですね。社会の公平と正義を守る前提の下で、国民一人一人の具体的に事情に合わせて、柔軟になおしてほしいと思います。

 チャイナライフ、この一年、中国人の暮らしに関するホットな話題を振り返りながら、2012年中国の世相を語る「チャイナライフキーワード2012」を発表しました。もう一度振り返りましょう!(12月27日オンエア「イキイキ中国」より)

 【第5位】定年退職の延期

 【第4位】新しい親孝行の24項目

 【第3位】国考(国家公務員試験)

 【第2位】辰年のベビーブーム

 【第1位】舌の上の中国

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