年末になっていろんな統計データや来年の予測などが出揃いましたが、このほど2012年中国携帯産業発展大会で明らかになったデータによりますと、2012年1月から10月までの携帯電話販売台数は2億2300万台に達しており、2012年全体では2億8000万台に達する見込みです。
この数字は2011年より10%の増加でしたが、2013年はさらに10%増えて、3億1000万台になると予測されているそうです。その中の3G端末、いわゆるスマートフォンの販売台数が1月から10月までで5000万台でしたが、来年は倍増して1億台に達する見込みだそうです。
スマートフォンといえば、iPhone5が先週、中国でも発売されました。中国のスマホ市場は今年、アメリカを抜いて世界最大になると見られていますが、アップルのシェアは低下しています。
そもそも中国で3Gサービスが本格的に開始されたのは3年前の2009年のことでした。日本ではNTTドコモが2001年にFOMAサービスを開始しており、中国はそれから8年も遅れての3G導入となったわけです。それは国内に6社あった通信事業者の再編後に3G免許を与えるという政策の結果です。また中国が主体となって開発を進めたTD-SCDMA方式の技術的な完成度が高まるまで、3Gの免許交付を止めていたとも言われています。3社に再編された各通信事業者はそれぞれ固定電話、ブロードバンド、携帯電話のサービスを複合的に提供しています。3社とは、チャイナモバイル、チャイナユニコムとチャイナテレコムですね。では、開始からもうすぐ4年になる中国の3G利用者の数はどれぐらいなのでしょう。
中国工業情報化省の発表によりますと、今年の9月までに、携帯電話の総契約数は世界最大の10億8000万人に達しています。このうち3Gの契約数は2億を突破しました。3Gの普及率は18%ぐらいに留まっています。この数字は3G普及率がほぼ100%に達した日本など他の先進国と比べるとかなり見劣りしています。
日本でもFOMAの普及率が10%を超えたのはサービス開始から約3年後のことですからそれほど遅くもないかもしれません。もう一つ、3G普及は大都市や中核都市を中心として広がっているという特徴があります。中小都市や農村部ではまだ3Gインフラが整備されていないところが多いですね。さて、スマートフォンが都市部を中心に爆発的な広がりを見せているのは、高いもののほか、安いものもあるわけです。
アップルのiPhoneとサムスンのギャラクシーは比較的高価なスマートフォン、あとレノボ、中興、華為など中国系メーカーが安いスマートフォンを販売しています。
ところで、日本ではDOKOMOとかau、ソフトバンクなど通信キャリアが専用の電話機を売っていますが、中国では携帯電話と通信キャリアが切り離されているため、メーカー側は自由な商品ラインアップを組むことができるんです。
たとえばソニーのスマートフォンは各キャリアから販売されていますが、中国市場では10種類前後のエクスペリアが販売されており、幅広い機種の中から消費者は自分に合った端末を選ぶことが可能です。
一方、中国の3社のキャリアのうち、やはりチャイナモバイルが最大で、今年の10月までに、携帯電話サービスの契約者数は世界一位の7億300万件、うち、3Gは7931万件でした。つまり1強2弱の構図です。
ところで、日本では例えば携帯電話を2年契約すると電話機がただになるとかいうような契約がありますが、そういう契約は中国にも出てきたようです。中国語で「合約機」と呼ばれています。これまでのように契約なしで購入する方法を「裸機」と呼んでいます。1年、2年、3年と契約期間を選ぶこともできるようですね。
また、毎月払う基本料金も安価なコースから高額なコースまで幅広く設定されるようになりました。選び方によって、実質的な本体価格も変わってきます。
たとえば、iPhone4sを2年契約する場合、毎月の基本料を5100円?に設定すればiPhoneは実質無料になります。
したがって、ビジネスマンなど長く通話する人ほど契約機を選ぶ傾向にあるようです。最近ネット上でも、「合約機」か「裸機」にするか悩む声も多く見られます。
日本ではさまざまな料金プランやサービスキャンペーンがあって、ホントによく分からないんですが、中国も今後、スマートフォンがますます広がっていく中で、いろいろな購買形態が出てきています。
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