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中国の自動車市場、日系ブランドの販売回復へ

2012-11-28 16:10:41     cri    

 日本政府の釣魚島国有化を発端に、中国産日系自動車の販売台数は9月と10月、2カ月続けて大幅に下降しました。しかし、現在開催中(11月22日~12月2日)の第10回広州国際モーターショーで明らかにされたところでは、中国産日系自動車はもっとも困難な時期を過ぎ、販売台数が下げ止まり、上昇傾向に戻りつつあるということです。

 27日付けの『新京報』によりますと、広州トヨタの馮興亜執行副総理は25日、同社の自動車小売業は既に事件発生前の水準近くにまで回復しており、自動車の在庫台数は過去2カ月で大幅に減ったと明らかにしました。また、広州ホンダの姚一鳴執行副総理は、11月上旬から来店者数が目だって増え、販売台数も著しく回復していると語りました。東風日産の任勇副総理も、現在、東風日産の販売店の経営状況は良好で、全面的に正常な軌道に戻っていると話しています。

 関係筋によりますと、2011年、中国国内の乗用車販売台数1370万台に対して、日系乗用車の中国市場での販売台数は約300万台で、うち9割が中国本土で作られたものです。一方、中国自動車協会の統計によりますと、この10月、国産日系乗用車の市場シェアは対前年同期比で12.3%下がりました。

■広州モーターショー  日系各社強気な出展

 9月半ば以降の市場シェアの激減を背景に、日系各社の「日系自動車メーカーの本拠地」と言われる広州モーターショーへの出方に注目が集まっていました。

 結果的に、トヨタ、ホンダ、日産、三菱、マツダ、スバル、スズキなど、ほとんどの日系メーカーが参加し、各社とも強気な出展をしています。

 開幕日に行われた記者会見では、日系自動車メーカー各社が相次いで中国市場に寄せる期待を述べ、『広州日報』がその様子を伝えました。

・ホンダ 中期計画を整然と推進

 ホンダの倉石誠司・中国本部長によりますと、 ホンダの2011年世界販売台数は309万5000台、このうち5台に1台は中国市場で販売されており、中国はホンダにとって、世界第2の市場です。

また、同社はこの春発表された中国市場中期戦略を計画通り推進しており、中国での開発センターの設立準備も進めています。それによりますと、2015年までに10車種以上のフルモデルチェンジ、新車種投入を予定しています。また、2015年までに、中国市場での販売台数を2011年より倍増させることが目標です。

・トヨタ  3年間で20種の新車を発売

 トヨタの大西弘致中国本部長は記者会見で、「トヨタは今後、これまでの『トヨタの中国』から『中国のトヨタ』へと転換を果たし、中国市場に一層根ざした現地化変革を実現する」と訴えました。

 それによりますと、トヨタは今後3年間で、中国市場に20種の新車を投入し、2社ある中国の合弁会社は来年、合弁会社自前ブランド車をリリースする予定です。さらに、常熟市の無段変速機(CVT)工場もすでに着工しており、2014年の稼働開始を予定しています。

・日産 販売店の経営が正常化

 東風日産の任勇副総経理は記者会見で、同社の新車に「特定範囲内の品質問題が生じた場合、購入後7日以内、走行距離1000キロ未満であれば交換に応じる」と発表しました。

 それによりますと、特定の突発事件を背景に第3者により故意に車両を損ねられた場合、東風日産は必要な経費や運転停止により生じた損失を全額補償するとしています。

 また、その日の同社の配布資料によりますと、「東風日産の販売店の経営状況は良好で、全面的に正常化に向かっており、今年で生産販売台数は累計400万台を実現する見通しだ」ということです。

■競争が激化する中国市場

 日系各社が中国市場を手放したくない背景には、中国市場は勢いが鈍化してきたとは言え、まだまだ伸びる傾向にあるからです。

 米コンサルタント大手のマッキンゼ社がこのほど発表した予測では、中国の新車販売台数は2020年までに欧州や北米を上回って年間2200万台に達し、世界の新車販売台数の35%を占めるだろうと見られています。

 その一方、中国の自動車市場の競争もますます激化する傾向にあります。ドイツ系、韓国系メーカーの追撃もあれば、中国の民族系ブランドの台頭もあります。

 中国に進出している外国カーメーカーが相次いで現地化率を高めた結果、欧米系高級車メーカーの中国で製造した一部の車種が日本ブランドの高級車と値段がさほど違わなくなってきています。選択の幅が増えたことにより、ブランド志向の強い中国人消費者にとって、日系自動車の優位性が以前ほどではなくなっているとも見られています。一方、低価格帯で勝負しようと思っても、中国の民族系ブランドに太刀打ちできないのが実情です。

 専門家は日系メーカーのこのような「サンドイッチ状態」が来年以降ますます顕著になっていくだろうと見ています。そういう意味でも、日系各社はまだ困難な状況を完全には抜け出しておらず、中国の三大モーターショーの1つに数えられている広州モーターショーでの勝負を見逃すことができないと見られています。日系各社は、消費者の心理的不安を取り除くため、デモなどの非常事態で車が壊されたばあいの無料修理や損害賠償など決め細やかな対応を発表しています。

 なお、日系ブランドの来店者数と発注量は上昇しているものの、上昇幅がまだ小さいため、業界筋は本当の意味での回復はもう少し時間がかかるだろうと見ています。(Yan)

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