中国人民銀行(中央銀行)はこのほど通知を発表し、来年の2月25日から銀聯カード払いの手数料を23%-24%引き下げると明らかにしました。銀聯カードというのは、買い物をするとき、銀行のキャッシュカードで支払いができるというもので、日本だとデビッドカードに相当するものです。この銀聯カードで消費者がお店で買い物をする場合に、お店が払う手数料を下げるということです。
新しい手数料徴収基準は、業種別に率を定めるという原則は維持しています。大きく分けると、飲食・娯楽類、一般類、民生類、公益類の4つあります。そのうち、飲食・娯楽類の手数料は今までの2%から1.25%に、37.5%の値下げになりました。民生類、例えばスーパーや交通運輸チケット販売などの場合は0.38%に、一般類の雑貨、卸売り、旅行会社などは0.78%に、公益類の病院、学校などは0%にそれぞれ下がりました。
そうすると、銀聯カード払いの手数料引き下げは店の側の負担を軽減し、POSレジ端末を設置する積極性を高めることになります。日本の場合は同じように手数料はありますし、やはり業種によって手数料の%は違います。
ここで中国のカード払いの手数料に関する歴史を振り返ってみましょう。今までの手数料に関する規定は2004年3月から始まりました。カードによる取引、手数料は実は3つの組織が関わっています。カードを発行する銀行などの企業、取引のプラットフォームを提供する銀聯、それとPOS端末の機関です。手数料取り分の割合は7対1対2です。
例えば、あるレストランで1000元(1万3000円)の支払いがあり、建設銀行のキャッシュカードを使って、工商銀行のPOS端末で払ったとします。そうすると、1000元の2%、つまり20元の手数料から、キャッシュカードの建設銀行は7割の14元(184円)、銀聯が1割の2元(26円)、端末の工商銀行は2割の4元(52円)をそれぞれとります。
たくさんのお店がこの2%の手数料を負担したくないため、長い間、店と銀行の間の争いが続いてきました。2011年、13の省の飲食業協会が共同で公開書簡を出し、飲食業の2%の手数料を引き下げるよう呼びかけました。今回の調整で、2%から1.25%に引き下げられ、37.5%の減額になりました。
レストランや店で見ていると、今、食事とか買い物をする場合、カード払いが多いですね。レストランなんかはむしろ現金で払う人の方が少ない感じです。今年第3四半期までに、銀行のキャッシュカードが34億枚発行され、スーパーでのカード払いの比例は35%、百貨、家電業界は60%に上った。
スーパーだと3人に1人ぐらい。デパートでは半数以上の人がカードで支払っています。
人民銀行がこのほど発表した「第3四半期支払いシステム運行総体状況」によりますと、銀行カードの普及率は46.3%に上ったものの、先進国の70%から80%という数字と比べればまだ大きな潜在的発展性があると見られています。
手数料の引き下げにより、さらに多くのお店がPOS端末を設置すれば、買い物するときはもっと便利になります。
そして手数料が高ければ、それをコストに転嫁して商品の値段も高くなりますから、消費者にとってもいい話です。銀行にとっては、一回の手数料は下がりますが、カードを利用する店が増えるから、取引量の増加によりグロスの収入は下がらないだろうと見られています。
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