中国で最も歴史が長く、レベルが高く、規模が大きい総合的な国際貿易の展示会として、広州交易会は輸出企業が毎年、重点的に注目を寄せている展示の場です。世界経済の低迷を背景に、この秋の広州交易会の成約額は楽観視できないとされています。一方、15日に開幕した広州交易会の開幕式で、劉建軍報道官は、運営者側の様々な取組により、今回の参会者数は前回とほぼ同じレベルを保ち、成約額のほうも大きな変動がないだろうという見通しを示しました。
交易会の展示会場に入ってみますと、大手家電メーカーのみならず、中小の製造業メーカーもより多くのバイヤーの注目を引き寄せるため、念入りな展示で工夫していることが分かります。
世界最大の家電製品メーカーとして知られる、山東省青島のハイアール社は「Global No1」の目立つ文字をパネルに入れています。ハイアール社でブランディングを担当する王さんは、ハイアールは今回の交易会を非常に重視していると語っています。広さ500平方メートルに達するハイアールの展示エリアには、13シリーズ・200種あまりの商品が展示されています。
王さんによりますと、ハイアールの展示エリアを訪れるバイヤーは毎日およそ5万人以上に上りますが、それに対して、ハイアール社は世界各地の営業担当と責任者150人を配備して対応に当たらせています。
一方、世界経済の低迷を背景に、不安を抱いているメーカーも多いようです。
あるディスプレー販売代理店のブースでは、数多くの海外バイヤーが商品の説明を聞き、いずれも満足を示してくれたものの、その場で注文するまでにはなかなか至っていません。販売担当の華さんは、「海外のバイヤーは、今は前よりも慎重になっている。同じ商品でも、いくつもの会社を比べてからようやく注文をする。以前よりも商談が難しくなっているので、いまの状況をどう改善すればよいのか、会社としても様々な工夫をしている最中だ」と話してくれました。そして、華さんは人民元の切り上げが海外バイヤーに与える影響を考え、ターゲットの見直しも含めて、自らを変えて、市場に適応して生き残りを求めなければならないと語っています。
ところで、広州交易会は中国の対外開放の窓口として、中国の輸出型企業にとって海外からの注文を得る上での重要な場でもあります。広州交易会の劉報道官によりますと、対外貿易の不振が続く中でも、企業は強い出展の意欲を保っています。この秋の広州交易会の輸出ブースは申し込みに対してわずか54%しか応えておらず、言い換えれば、出展意欲のある企業のうち約半分は出展できていません。
劉報道官はまた、世界経済の不振が続いていることから、今後数カ月の中国の対外貿易は引き続き厳しい状況が続くが、「従来からの中国の対外貿易の優位性は弱まっていない上、新しい優位性も徐々に確立されつつあることにも注目してほしい。一方、外部からのプレッシャーも企業に構造調整と成長パターンの転換、国際競争力の向上を求めている。グローバルに見ると、中国の輸出製品は依然として強い競争力がある」と語りました。
■【広州交易会】について
正式名称は「中国輸出入商品交易会」。1957年春から、毎年春と秋の2回、広州で開催されています。交易会での成約額は中国の対外貿易、さらには中国経済のバロメーターと見られています。
2008年のリーマンショックを受けて、その年の秋の交易会は成約額が落ち込みましたが、その後、持ち直して、去年の秋まで回復傾向にありました。とりわけ、昨年秋の交易会は、東日本大震災で一時的に抑えられた日本からの注文が大きく伸びたこともあり、最終的に20万人のバイヤーが集まり、前回より3%増の379億ドルの成約額で閉幕しました。一方、2012年春の交易会はバイヤーの数が21万人に増えたものの、成約額は昨年同期より4.8%減少しました。(Yan)
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