1990年代生まれの「90後」、22歳ぐらいになり、今年から大学を卒業して、社会人になりつつある。しかし、初代「90後」の就職は順調ではないみたい。<チャイナライフ>、今日の話題は中国の「90後」(1990年代生まれの若者)の就職観に迫る。
このほど、中国の中部都市・武漢で行われたある新卒者向けの就職説明会では、「90後」の就職観は大きな話題を呼んだ。まずは履歴書、多くの求職者は履歴書の写真にプリクラを使う。その理由は、普通の写真より綺麗に写ったので、求人側に良い印象を与えるという。
さすがに、プリクラの履歴書写真は日本では見たことない。『ふざけてる!』と思われて、マイナス点。中国でも、もちろん非常識なことだ。今の若者たちは常識に拘らずに個性をアピールしているね。
では、、これら「90後」の若者が就職条件として何を重視しているのか見てみよう。ちょっと驚きだった。
① 一番重要なのは、「賃金レベル」ではなく、「仕事の面白み」だそうだ。「給料は少し少なくてもいいが、面白い仕事をやりたい」という意見が多い。
② 二番目に重要なのは、「仕事時間」。その理由は、「残業なんかしたくない、特に土日には残業したくない。友達に会ったりデートしたりするから」
③ 三番目に重要なのは、「仕事の将来性」。「ロボットのように毎日同じような仕事を繰り返したくない。将来性のある仕事をやりたい。例えば、3年後に昇進して管理職になれるような仕事を探したい」
④ その他には、例えば、職場にはエアコンがあるかどうか、有給休暇の有無や、職場にトレーニングの場所やジムがあるかどうか、社内旅行があるかどうかなども「90後」が職を選ぶ条件になっている。
一見して夢見たいのことですけど、これは今の若者たちの価値観や生活レベルへの追求を表しているのではないかと思う。「お金より快適さ」「物質面より精神面の余裕」を求めていると言われているから。
「90後」の就職観、それまでの年代と比べると、どう違うのだろうか?、ある就職サイトがこのほど、就職観に関する年代別のアンケート調査を行った。その結果からは、各年代ごとの就職観にずいぶん違いがあることが分かった。
「70後」
長所:辛抱強い。責任感が強い。チームワークを重視。会社に忠実して、「仕事の虫」が多い。
短所:自分の意見や主張をはっきり言えず、上司の言いなりになる傾向がある。クリエイティブな精神が乏しい。
「80後」
長所:自立心が強い。自分の主張をはっきり言う勇気がある。お金第一。
短所:会社の利益より自分の利益を重視。残業が嫌。
「90後」
長所:新しい発想やアイディアに富んでいる。想像力が逞しい。賃金に拘らない。
短所:仕事への責任感が薄い。自分の興味を優先し、残業どころか、仕事さえやりたがらない。親に頼りすぎる。
日本でも、各年代生まれの人はそれぞれの特徴があるだろう。例えば、団塊の世代とか、アンティテーゼーの世代とか。どの世代も若いときは「今の若者は!」と言われるが、就職観の違いは時代を映す鏡で、職業観も価値観に影響されていると思う。昔の人なら、貯金志向が強いけど、今の若者なら、貯金より消費志向が強いみたい。
90後:反抗しながら成長してきた世代
① 一人っ子の世代:親や祖父母に過保護にされて成長してきた。
② 裕福な世代:優れた教育や生活レベル、経済環境に恵まれて育った。
③ インターネットの世代:情報を簡単に手に入れるし、見聞が広い。
④ お宅の世代:パソコンや携帯、ゲームなど、最新の電子製品は得意なのに、人とのコミュニケーションが苦手。(家では親や祖父母から過保護されたため、人に甘える癖がある)
若者は社会の未来を担っているとよく言われる。「90後」の就職観や価値観の形成は社会全体の雰囲気や経済状況、社会の価値観と密接に関わっている。では、中国で大きな話題を呼んでいる「90後(1990年代生まれの若者)」の就職観、そろそろ社会人になりつつある90後、彼らの就職の道はどうなるのか、番組の中では何人かの就職物語をご紹介するから、お聞きください。
今の中国では、物質面の豊かさは昔よりだいぶよくなってきたが、精神面の豊かさはまだまだついて行けないところがあると思う。高度成長期に社会全体の雰囲気はせっかちになっているが、これも若者の行動に影響を与えているという。だから、「90後」の世代、一方では、精神面の余裕を求めようとしているが、他方では、仕事に落ち着かず、安定感がない一面があるみたい。社会環境を問わず、あくまでも自分の心の安定さ、余裕を求めなければならないと思う。(8月16日オンエア「イキイキ中国」より)
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