新聞で気になる記事を発見。それは中国人記者が日本で動物を飼うことへについて日本人にインタビューしたもの。そこからは日本とは異なる中国のペット事情がかい間見えました。そこで、今日は中国のペット事情をめぐってあれこれを語ってみようと思います。
新華ネット5月6日付の記事によると、日本人が答えるインタビューで、中国では、日本で当たり前のことが問題になっていることが記者の質問からわかった。例えば、「家庭で犬を飼うのに決まりがあるの」というものですけど、今まで考えたことがなかったのでちょっと意外な質問でした。日本では、犬を飼うことは自由ってことですよね。でも中国は違うんです。さてこれから中国のペット事情の問題をふかーく探って行きたいと思います。
中国でペットを飼う人が増え続けている。なかでも多いのが犬。でも、そうやってペット、特に犬を飼う人が増えて困った問題が起きているんです。調べてみたらいろんな問題がありました。
①犬が人を噛む事件が増加
②吠える声がうるさい。騒音
③犬の糞がきちんと始末されない
これが飼い犬の3大問題。すでに社会問題になっている。日本で問題が大きくなるのは②の吠える声がうるさいってものかな。①の犬が人をかむというのも最近あまり聞かないし。③のフンについては当然飼い主の責任だと思います。
ここでデータを見てみましょう。江西省宜豊県の石市鎮のニュースからです。
今年4月、石市で犬に噛まれた人は1200人に上っている。メーデーの3連休中に140人が犬に襲われた。中には自分の犬に噛まれた人もいるし、散歩中に噛まれた人もいる。
多い!この原因は何なんですか?
最大の原因は首輪、リードをつけない人が多いこと。ネットの掲示板には書き込みがたくさん。ある女性の体験によると、団地で犬を飼う人は多くはないが、ある時門を出ると白い大きな犬が前足を彼女の肩の上にのせてきた。彼女は悲鳴を上げたが、飼い主は何も言わずにつったったままだった。縄をつけてくれるよう言ったが、自分の犬は噛まないと言ってきいてくれなかった。結局この家族の間でけんかが起きた。それからこの女性は団地内ではなく道を散歩するようになったが、もっと多くの人が犬に縄をつけずに散歩させていることに驚いた。そして4月30日の夜、彼女は犬に噛まれてしまった。彼女は犬を飼うことには反対しないが、縄をつけないことには反対するとコメントした。
それからフンの始末の問題もかなり深刻なんです。ある住宅団地では犬の糞をつかむための道具と桶がわざわざ設置されたんです。でも実際に使用する人は少ないようなんです。なんで飼い主がやらないんでしょうか。日本ではこれは完全に飼い主の責任ですよ。そこである記者が独自に住宅団地の様子を詳しく取材した記事があります。そこには飼い主たちがフンの始末についてどう思っているか書かれていました。
1.犬がフンをするのはコントロールできない。人間のトイレにひっぱっていくなんでできない。
2.散歩の時、片付け用の袋や道具をもっていくのは面倒だ。
3.フンを始末しているのを知り合いに見られたら恥ずかしい。
これ?ちょっと、これはわがままな意見じゃないですか。これでは周りも納得しませんよね。でも3のフンの始末を知り合いに見られたら恥ずかしいというのは、日本と全く逆ですね。日本は始末していないのを見られたら、本当に恥ずかしい。日本は非常識な人に対して本当に厳しいですよね。でも確かにこの意見に納得する中国人は少ないですよ。記者も最後にこう書いています。犬を飼う前にまず飼い主自身が文化的生活を知る人になることを提言する。
では、なぜこれほど犬を飼うことが問題視されているのか、まずは、狂犬病への恐怖です。
日本ではほとんどないが、中国ではおそろしい病気とされている。狂犬病は急性の伝染病で感染後の潜伏期間は1ヶ月から3ヶ月。死亡率が100パーセントという恐ろしい病気。毎年狂犬病による症例は2000例にも上る。世界第2位。このため中国衛生省は、もし猫や犬に噛まれたら病院で適切な処理を受けるよう薦めている。
死亡率100パーセントって恐ろしいですね。この狂犬病を減らすという意味でも犬を自由に飼うことは許されていないんですね。でもペットを飼う人が増えれば、むしろ狂犬病や犬を飼うことの知識も増えて、みんなが気をつけるようになると思うんですが。それがそう簡単にはいきません。北京の例を見て見ましょう。
北京市では、2003年に定められた「北京市飼い犬管理規定」が実施され、当初飼い犬の登録費用は5000元だったものが、今は1000元に引き下げられた。これにともない、ペットを飼う家庭が増えた。一方で減少していた狂犬病で死亡するケースが再び復活。犬に噛まれて怪我をする人の数も上昇。昨年の1月から8月の7ヶ月間に猫や犬に噛まれたため狂犬病のワクチン接種に訪れた人は19万人以上にも上る。飼い犬の登録数は100万を超え、狂犬病ワクチン接種率は80%と見られている。さらに登録なしに違法に犬を飼っている人も増えている。
さらに、北京市飼い犬管理規定の内容によると、
1.重点管理区を定めこれが犬を飼うことが制限される地域になる。
2.犬を外につれていく場合は首輪をつけ大人がつきそうことが定められている。
3.天安門広場と東、西長安街その他の幹線道路では犬の散歩を禁止。また市場、商店、ショッピングモール、レストラン、公園、緑地などの公共の場所では犬の侵入を禁止している。
4.犬を飼うためには登録証が必要。年に1回の犬の検査を行う。
5.獰猛な犬、大型犬は禁止
などの細かい規定があり、もちろんフンの始末などについても記載されています。それでも守らない人がいるのが現状です。
飼い犬問題は中国国内でも深刻な社会問題となり、とうとう全人代代表らが全人代に意見を提出しました。きっかけは開封市で起きた事件。犬が6歳の女の子の頚部を噛んだというもの。大きく報道され代表の関心を集めた。代表も「犬を飼うことの管理規定は大きな事件ではないかしれないが、環境を破壊し開封市のイメージを損なう」として、関係部門に措置をとるよう求めた。開封市は観光先としても人気があることから、事件によってイメージにマイナス影響を与えることを懸念したもの。そして、全人代代表の一人は「文化的名都市として知られる開封市と巷で問題になっている犬の糞ではイメージが大きく乖離している」として、規則を守って犬を飼うことを提唱し、ペット市場に統一した規則をつくり良好な社会秩序づくりに励むと語りました。さらに14名の全人代代表や政協委員が類似の意見や提案を出しました。
深刻さが日増しに高まる飼い犬問題。しかし市民の間で新たな動きが見られる。北京市内の治安管理を担当する機関は2011年の飼い犬登録数が100万を超えたことを明らかにした。前年にくらべ5.5%増。そんな中、犬を飼うことへの知識を深めようと講座が開かれました。
5月、北京の門頭溝区のある住宅団地では、犬を飼うための知識を得る講座が開講されました。
この講座は北京市の飼い犬管理規定について学ぶ講座。実際に発生した事例をあげて規則を守ることを推奨するもの。規則や注意事項が書かれた小冊子を配布した。狂犬病の予防接種や糞尿の始末などについて書かれている。"
最近、この飼い犬管理規定に修正が加えられ、介護犬や盲導犬などの大型犬を飼うことが認められるようになったっが、狂犬病予防接種の流れを簡略化してほしい。今は時間がかかるし、費用もちょっと高いようで、診療システムが煩雑です。何といっても、ペットを飼うこと、必要なのは規定ではなく、モラルの向上でしょう。(「イキイキ中国」より)
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