中国では1年余り不動産バブル抑制策が続いていますが、その中で初の破産届けを出すデベロッパーが現れました。
3月30日、地元の裁判所に破産届けを出したのは、浙江省杭州市の金星不動産開発有限公司(登録資本1000万元、2008年から中江ホールディングスの傘下)です。杭州余杭区裁判所が4月初めに、金星不動産の破産届けを受理したと明らかにしました。それ自体はそれほど大きくない金星社の破産ですが、それは連鎖破産の始まりなのか、それとも個別事例にとどまるのか、議論が分かれています。
報道によりますと、金星不動産は3月30日に、地元の裁判所に破産届けを出しました。同社はこれまでに5回転売されており、いまは未払い金4000万元と未納の税金2398万元を抱えています。
一方、金星の手がける分譲マンションは、これまで市場では好評で、売り上げ実績は所在地域の上位3位にランキングされていました。これまで手がけた3期の開発物件は、2期まで完成しましたが、3期分は約束の引き渡し日を過ぎたのに、まだ完成していません。
売れ行きも良く、利益も高い会社が、何故破産することになったのか。謎めいたことが多くありますが、親会社の複雑な資本関係や、利子の高い民間金融をベースにしたビジネス展開で資金繰りが苦しくなったことが背景とされています。親会社の「中江ホールディングス」も破産届けを出しており、金星はそのあおりを受けたとも見られています。
金星は、中国政府による今回の住宅バブル抑制策が導入されてから、破産届けを出した初の不動産デベロッパーとして非常に注目されています。業界筋は、「今回倒産した金星不動産は小規模な開発業者だが、不動産業が直面している現状をありのままに映し出しており、今後は次から次への倒産が予想されるだろう」と見ています。
ただし、地元杭州市の業界筋では、「今回の倒産は個別事例だ。破綻した主な原因は、バブル抑制策ではなく、親会社の経営管理の不備で資金繰りが苦しくなり、それに巻き添えを食う形で危機に陥ったのに過ぎない」と見ている人もいます。
一方、不動産市場がいま全般的に、資金繰りが苦しい状況にあるのは周知の事実です。広州で刊行されている「羊城晩報」によりますと、今年に入ってから零細デベロッパーが相次いで自社株の譲渡を発表しており、小規模不動産企業の経営難という現状が明らかになりました。
中国の不動産産業はこれまでの10年、ハイリターンの産業として知られてきました。しかし、今後はそのハイリスクの面がより顕著に出てくるだろうと見られています。
仮に、デベロッパー倒産の事態が今後も拡大していくとすれば、その影響は銀行、民間金融およびファンドなどにも波及し、一連の債務危機に発展しかねないと懸念されています。一方、中央政府は今後も不動産バブル抑制策の手綱を緩めることはないと表明しています。(Yan)
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