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温州市に金融総合改革試験区

2012-04-11 16:16:08     cri    

 このほど温家宝首相の主宰で開催された国務院常務会議は、浙江省の温州市に金融総合改革試験区を設置することを決定したということです。

 金融業の総合改革案として、(1)民間融資業の規範的な発展、(2)新型金融機関の育成、(3)専門的な資産管理会社の育成、(4)個人への海外直接投資の試験的解禁、(5)地方の金融機関改革、(6)零細企業と農家・農業向け金融商品・サービスの開発促進、(7)地方資本市場の育成、(8)各種債券商品の開発奨励、(9)保険サービス分野の開拓、(10)社会信用体系の構築強化、(11)地方の金融管理体制の整備、(12)金融総合改革リスク防止メカニズムの構築――の12項目です。

 温州にはたくさんの民間資本があります。むしろ、ありすぎて、現在、闇の金融機関が多くて、管理できていない状況です。ですから、これらのお金を明るいところに出して効果的に管理し、その利用率を高めることを目指しているわけです。

 温州市は浙江省東南沿海に位置する地級市で、商才に長けた温州人は「中国のユダヤ人」と称されることがあります。温州人は商売がうまいと古書にもあります。現在、154万人の温州人が中国各地で商業などに従事し、38万人が世界各地で華人として活躍しています。温州人がお金持ちで、数年前、北京や上海でグループとして不動産を大量に購入しました。これによって北京や上海の不動産価格が上昇したという説もあります。

 今回の改革実験区の設立により、温州の8000億元(約10兆4000億円)超の民間資本の新たな投資先になることは間違いなく、多くの温州の投資家が期待を寄せているそうです。温州市金融弁公室の張震宇さんは「民間の資本を集めて、インフラ施設に投入できます。これから『権利交易センター』とのフラットフォームを作り上げます。12項目の中、中小企業の各種債券商品の開発を奨励しています。こうすることで、個人のユーザーも高い収益を得ることが出来ます」と述べました。

 浙江ワードバルブという零細企業がありますが、この会社はずっと闇の民間金融機関を利用しています。社長の鄭英顕「待ち遠しかったです。今後これらの融資機関をうまく利用し、合法化させ、自分の企業を発展させいていきます」と述べました。

 不動産投資は温州の投資家の得意分野であるため、個人による海外投資が許可されれば、不動産市場への影響は株式市場を大幅に上回るとアナリストは見ています。アジア太平洋都市不動産業協会の謝逸楓会長はこのように分析しています。「多くの投資家は不動産やその他の商品などの海外投資を行う。直接投資が始まれば、少なくとも10%以上が海外に流れるだろう」

 国家発展改革委員会の楊禹研究員は温州金融総合改革試験区の設立は重要な意義があると見ています。「現在はまだ手探りの過程だが、特に全国的に見れば、温州で現れた活力があり、かつ安全な金融製品に関心を寄せるばかりでなく、政府はこの過程でこのような金融的な試験を奨励、包容することに注目すべきだが、同時に厳格な監督管理も必要だ。上手くいけば、条件の整っているほかの地域にも広めていきたい」と述べました。

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