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「踏青」、一足早い春の遠足

2012-03-29 10:16:46     cri    


























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 「踏む」に「青」と書く「踏青」は、中国で、春に行われる郊外への散歩のことを指します。文字どおり「青き草を踏む」という意味です。初春の野に春を探る遊びで、春のピクニックともされています。唐代以後に盛んになり、地方によっては決まった日に行われる行事でもあります。春は体を鍛え、健康を増進するのに一番いい季節と言われていますけれども、長く厳しい冬が過ぎて、暖かい春が来ると、やっぱり室内から出て新緑いっぱいの郊外へ行きたくなります。

 実は、先ほど唐時代以降に盛んになったと説明しましたけれども、春の遠足という「踏青」には本当に長い歴史があります。中国の古代書籍『旧唐書』(くとうじょ)には、今から1200年前の唐の時代、毎年の春になると、皇室の貴族たちは七日間ほど休んで川沿いで遊んだり、春の風景を楽しんだりする様子が記されています。

 でも、中国は国土が広く、各地の春が到来する時間もまちまちですから、各地の春のピクニックの時間も場所によってちがってくるんじゃないですか?昔の伝統としては旧暦の3月ぐらいになると、人々はぞくぞくと春の遠足「踏青」に出かけたんですが、実際には南方の福建省や広東省辺りは2月の下旬ぐらい、陝西省などの中部地区は3月頃、東北地方や北京はやや遅くて4月になりそうです。

 では、踏青の時、何か決まった行事や習慣があるんですか。昔は凧揚げやブランコ遊びが流行っていましたね。いまも凧揚げをする人はいます。でも今は郊外での写真撮影がもっとも人気の遊びとなっているようです。

 ところで、中国では、花粉症に悩まされている人が意外と少ないようですね。日本では、この時期花粉症のために、春の外出を控える人は少なくありません。中国では、春の遠足は養生に役立つ健康法でもあります。冬の長い間、寒くてずっと屋内に閉じこもっているから、暖かい春になると、自然と外へ出たくなるもんですね。暖かい太陽を浴びれば気持ちものんびりとリラックスできそうですから。

 実は春を満喫することは体の免疫力をアップさせ、呼吸器の病気を防ぐ役割があるそうです。なぜかというと、1万メートル以上の上空にはオゾン層があります。オゾン層は強力な酸化と殺菌の能力があるんです。春になると、太陽の日差しが強くなり、オゾン層を通した太陽の光は大地を照らし、有害な混合物を消滅することができるということです。また、オゾン層と太陽の光が反応し、沢山の酸素が分解されます。ですから、春の空気はすがすがしく感じられるんです。春の太陽は暖かくて、紫外線も夏ほど強くないんですよね。春の太陽を浴びれば、ビタミンDの合成にプラスとなり、カルシウムの吸収にも有利と聞いたことがあります。カルシウムのサプリメントを沢山服用するより、春の太陽を浴びるほうが絶対いいと思いますよ。ただし、赤ちゃんや、日焼けが気になる女性にとって、長い間外にいる時は、紫外線防止対策を忘れてはなりませんよ。

 ちなみに、「春を満喫」とよく言うんですが、春のにおいはいったいどんな匂いか知っていますか。ちょっと泥の匂いがするほか、草の匂いもありますね。後、花の香りもします。春の日、特に雨がやんだ後、土と草の匂いが混じりあって、新鮮な空気がとってもすがすがしいですよね。実は、この土の匂いは「放線菌」によるものだそうです。そう、細菌の出した匂いです。

 放線菌は暖かくて乾燥した土に暮らしている細菌の一種です。長い冬の日、放線菌は土に閉じこもり、大量の胞子を繁殖しているんです。春になると、冬に生まれた胞子が日々成長します。雨が降って湿度があがると、この小さな胞子は潤った空気に乗って土から外へ出て空へ飛んでいきます。この放線菌は人の体にマイナス影響がないどころか、植物の新陳代謝を早め、生命の成長に動力を注ぐ役割があるということです。また、草の匂いは植物が昆虫から身を守るために、自分自身を防御する保護機能のせいだそうです。いずれも命が蘇り、成長していく自然のシグナルです。私たちも春の匂いを満喫して、自然のエネルギーを沢山吸収できるでしょう。

 また、春に楽しむ花と言えば、日本ではもちろん桜ですね。実はこちら北京でも、桜を楽しむ名所があります。北京の西部にある玉淵潭公園ですね。日本から贈られたソメイ吉野や山桜を始め、中国山東省産の桜が二千本以上植えられています。中日友誼桜林として有名です。毎年の4月になると、玉淵潭公園では、桜祭りが行われます。着物を身に纏って記念写真を撮る市民の姿がよく見られます。また、日本アニメファンのコスプレも見所の一つになっています。さて北京の桜の名所といえば、CRI・北京放送の庭にある20本の桜も忘れてはなりませんね。長野県北京放送聴く会の皆さんから贈って頂いた貴重な桜、北京放送スタッフ全員にとって、春を楽しむ隠れた名所とも言えます。

 もちろん桜もきれいなんですが、このほか北京では中山公園のチューリップも有名なんです。中山公園は故宮博物院のすぐ西側にあります。オランダから輸入してきたチューリップ、毎年多くの市民を魅了していますね。わたしは写真でしか見たことないんですけど。大変な人気だそうです。また、故宮博物院の北側にある景山公園はボタンと芍薬が有名です。4月はボタンが咲くシーズンでもありますから。

 ボタンと言えば、ちょっと足を伸ばして河南省の洛陽では、毎年の4月にボタン祭りがあります。いま高速列車がありますので、洛陽への日帰りもできますからアクセスも非常に便利ですね。また、北京放送の近くにある北京植物園も北京市民にとって、春を満喫する絶好の場所です。北京植物園に行けば、いろんな花が見られますね。大きな温室があって、熱帯の植物や花もいっぱい見られます。さらに、少し北の郊外、平谷へ行けば、一面絨毯のような桃の花が楽しめます。平谷は中国でも有名な桃の産地ですから、毎年の4月に桃の花祭りが行われるんですよね。皆さんも今年、春を満喫するお出かけ計画、立てていますか。(「イキイキ中国」より)

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