今回は北京で中国語を学ぶ若者たち、留学生事情に迫ってみたいと思います。北京には外国人留学生を受け入れてくれる大学は数多くあるんですが、今回は北京外国語大学に行ってお話を聞いてきました。

　北京外国語大学は1941年に創設された教育部（日本の文部科学省に相当）直属の重点大学です。前身は延安ロシア語学校で最も歴史のある大学であり、最も多くの言語を教育している大学です。現在、36言語の学科があるんですが、そのうち15言語はここでしか学ぶことができない、という大変特色を持った大学です。その歴史ある大学に1992年に、はじめて教育部の批准を得て、「国際交流学部（現 中文学部)」が設立され、中国語を学んだことのない日本人留学生の受け入れが開始されました。日本人留学生だけの学部が設置されるのはこれが初めてだったそうです。

　この日本人留学生のためのクラスは『香坂クラス』といいます。これ、実は日本人の名前なんです。このクラスの設置は、大東文化大学の学長を務められた香坂順一氏によって実現したということで、この名前がつけられました。このクラス、中国語をゼロから初めて、4年間の学習の後には学位取得もできる画期的なプログラムとなっているんです。本日は、このプログラムを運営する特定非営利活動法人国際交流教育後援会所属の村山由華さんと、留学生活2年目となった新道義成さんにお話を伺って来ました。北京で中国語を学ぶ学生たちいったいどんな生活を送っているんでしょうか、詳しくはぜひ番組をお聞きくださいね。

　また、海を渡って中国語を学びにやってきた若者たちの傾向にも少しづつ変化が現れているようです。ご自身も留学経験がる村山さんに最近の留学生の傾向を聞いてみました。意外と中国語に興味がなくても来る若者がいるというのは、それだけ中国や世界が身近になったっていうことなんでしょうか。中国人としては中国語に興味を持ってくれないというのは、ちょっと残念な情報ですが（笑）、あんまり目的が明確じゃないけれども、とにかくやって来たってことですよね。でも確かに日本にいても、卒業後のことまで考えて大学進学選ぶ人が多いというわけでもないですしね。

　ちなみに村山さんに伺ったところ、今年の新入生を含めておよそ80人ぐらいの日本人が在学しているそうです。年々増加傾向にあるそうです。彼らがどんな生活送っているのか興味ありますね。そこで彼らの相談ごとからそれを探ってみたいと思います。この相談ごと、学生だけではなく親御さんからのものもあるそうです。私の想像では、ちゃんと食べているか、とか病気をしていないかという問い合わせかと思ったんですけど、これも時代でしょうか。まあ、それだけ留学環境がしっかりしているということだと思いますが。日本人はシャイで、あまり積極的なコミュニケーションをとらないといういうイメージはありますが、留学に来てこの状態じゃちょっと心配ですね。

　確かに今、お聞きいただいたのは日本の若者に見られる傾向の変化ですが、目的意識を持って留学している学生もたくさんいます。そのうちの一人、留学2年となる新道義成さんにお話を聞きました。新道さんは、お母さんの職場に中国人がいて、よく話しを聞いていたことが中国に興味をもったきっかけだったそうです。新道さんは授業以外でも、中国人と互いに教えあっているんですね。すごいですよね。まさに中国語漬けの毎日過ごしてます。インタビューに答えていただいた時はちょうど春節の大型連休の前だったんですが、日本にも帰国せず北京で中国の友人たちと過ごすつもりと言っていました。そんな新道さんも、生活の悩みはお風呂だそうです。これはもう北京にいる日本人共通の希望でしょう。そして、新道さんに留学のメリットと大切なことについても聞いてみました。

　新道さんのようにすごく積極的に中国に近づこうとする学生にしても、あまり中国の興味のない学生にしても、海外で過ごす時間というのは本当にいろんな影響を与えるんじゃないかと思いますね。頭の中だけじゃなくて、経験して初めてわかること、感じることたくさんありますから。実質的にも4年間で論文が書けるまでになるというのは今後の強い武器になりそうですね。北京外国語大学の留学プログラムは日本人に開かれた中国交流の扉で、ぜひともよりよく利用してもらいたいと感じます。（「イキイキ中国」より　02/13）