南鑼鼓巷は、北京で最も古い町の一つで、明や清の時代、富裕層の住む場所でした。貴族や高官、有名人、将軍たち、そして文学の巨匠など、多くの人がこの辺りに住んでいました。南北を走る南鑼鼓巷は長さ800メートルほどで、東西にそれぞれ8本の胡同が並んでいます。
また、南鑼鼓巷のことなら、近年は外国人向けのガイドブックにもよく掲載されています。いつも若者と観光客で賑わっています。古い住宅を改造したおシャレなバーやカフェ、レストランが立ち並んでいますね。特に夜になると、ライトアップされ、とっても賑やかな町に変わります。しかも最近、個性に溢れた変わったお店がいっぱい現れました。今日はいくつかご紹介します。
まずは、黄色一色で飾られた装飾店の「アマラ」というお店です。「アマラ」とは、チベット語で、「黄色」という意味です。実はこのお店はチベット族の飾り物やアクセサリーなどを販売する装飾店です。実はチベット仏教では黄色は貴重な色とされ、至極の尊さを意味しています。オーナーのザシニマさんはチベット族で、三ヶ月前に北京へ来てこの店をオープンしました。ザシニマさんの紹介では、店で一番自慢の商品は、チベット族の『静心碗』です。青銅で出来た茶碗の形をしたもので、水を中に入れてお碗の縁を触ると、綺麗な音が出るんです。それを聞くと、心が落ち着いて来て、穏やかになるので、『静心碗』と呼ばれたのです。(それ、ぜひほしいね)
次に、チベット族装飾店の近くに「Initial」というオリジナルファッションショップがあります。これも変わったお店ですよ。インテリから商品まで、全て白一色ですから。店長のHevaさんの話では、「Initial」は香港のブランドで、南鑼鼓巷で店を開くことは、お金を稼ぐためではなく、800年の歴史を持つ古い町のエネルギーを吸収するためなのです。クラシックな雰囲気はブランドのおしゃれなイメージと絶妙に相性が合っているため、この町から新しいインスピレーションがどんどん生まれると信じているということです。今後の新商品、楽しみですね。
ところで南鑼鼓巷と言えば、おしゃれなカフェやバー、レストランなどの飲食店しかないというイメージがありますが、最近は装飾店やファッションショップなどもどんどん進出しているんですね。ますます人が集まってきますね。カフェといえば、そこにある「逆旅」というお店が大好きですよ。毎晩ジャズのライブが行われるんですから。でも、ライブが行われるバーやカフェはけっこうたくさんあるけど、このカフェの特徴といえば、やっぱりインテリアとメニューです。
店の天井はカラフルな傘に覆われています。まるで虹の下にいるような感じです。しかも、フロントにも色鮮やかなカクテルがあり、お勧めメニューになんと「虹」という名前のカクテルがありますよ。オーナーの陳妍さんの話では、このカフェは虹の世界を演出しています。ここに入ると、お客様に本当に虹に包まれたように感じてもらいたいんです。カクテルの看板メニューは『虹』というオリジナルのドリンクで、料理のメニューにも、食材の色をうまく組み合わせた虹に関するものは50点以上もあります。おもしろい!幻想的な虹の世界を演出しているんですね。
その他に、南鑼鼓巷のカフェには、ピンク色一色のお店もありますし、紫色に飾られたお店もあります。さらに、闇のカフェという中に入っても暗くて何も見えないお店さえあります。それぞれの店は変わった個性を生かして、独特な魅力でお客さんの心を誘っています。面白いのは、昔風の住宅をアレンジした現代風のカフェやバーのほかに、町には北京の串焼きや臭豆腐(臭い豆腐)という庶民的な食べ物の屋台もあることですね。西洋風と中華風、昔と現代、同じ空間に存在していて、とっても不思議ですね。これはまさに今の北京、或いは今の中国の一面を表したものと言えますね。
でも、気付いたかどうか分かりませんが、友達の話では、この南鑼鼓巷で最も残念なことは、餃子専門のお店は一店舗もないということですよ。その辺りを訪れる外国人の方が多いですから、餃子のお店を開けば、人気を呼びますね。きっと。伝統の水餃子から焼き餃子、そしてアレンジした西洋風の餃子メニューなど、いいビジネスチャンスになりそうですね。もしかしたらすふそのアイデアを実現する人が現れて餃子のお店ができるかもしれませんね。楽しみです。(「イキイキ中国」より)
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