中国では、連続ドラマはテレビ番組の中心になっているような気がします。朝劇場、昼劇場、ゴールデンタイムのドラマ、そして深夜劇場、まるで一日中ドラマが放送されているようです。しかも、同じドラマが毎日少なくとも2話オンエアされていますね。中国のテレビドラマは日本と違って、撮影が終ってから、国家ラジオ映画テレビ総局の審査を受け、放映許可を得てはじめて、各テレビ局でオンエアすることが出来ます。
国家ラジオ映画テレビ総局は28日、「ドラマ放送の合間に、テレビコマーシャルの放送を禁止することを決定しました。さらに、ドラマの1話の放送時間の目安も新たに定められました。1話のドラマを平均45分となりました。この決定は2012年1月1日から正式に施行される予定です。これはドラマの完全性と一貫性を実現するため、大衆の利益と要求に応えた措置だと見られています。中国では、テレビ局はすべて国営放送なので、テレビコマーシャルで多額な収益をあげていることに対し、一部批判の声も上がっているんです。特に美容や整形、白いお酒と書く白酒のコマーシャルが多すぎて、減らしてほしいという視聴者からの意見が多いようです。
確かに中国では、ドラマの合間に放送されるCMの頻度が多いというか、長いです。そして、同じCMが多いです。まるでCMの合間にドラマを放送しているのではないかと、一部の視聴者は冷ややかな意見もあるんです。実は、これまでの規定では、午後7時から9時までのゴールデンタイムに放送されるテレビドラマは、1話(45分)につき、1回だけ、最高60秒のCMを挿入することが出来るということです。でも、ゴールデンタイム以外のドラマでは、1話につき2回、最高90秒のCMを放送することが許可されています。
ドラマの合間にあるCMの放送が禁じられるということですが、これ、視聴者にとっては朗報じゃないですか。スポンサーから見れば大問題ですけれでも。テレビ局の収入が減少し、結果として番組の質が落ちるのではないかと懸念する声もあります。
国営といえどもCMは直接放送局の収益に関わっていますから。視聴者数世界一の中国のテレビ局、広告収入は巨額だと聞いたことがあるんですが。例えば、中国最大のテレビ局・CCTV中央テレビ局は先月8日に、2012年のCM枠入札を実施しました。すると、たった10秒間のCM枠で、7600万元(約9億3100万円)という値段が付いたんです。毎晩7時のニュースと7時半の天気予報の合間にあるCM枠ですよね。午後7時から始まるCCTVのニュース番組「新聞聯播」は、中国全土の主要テレビ局で放送され、世界一視聴者が多い番組とも言われています。その最初のCMスポットはいってみれば「視聴者数世界一のCM枠」なわけです。
ちなみに、今回落札したのはチャイナバンク・中国銀行です。来年の1月と2月、毎日10秒ずつの枠で7600万元というお値段です。また、CM枠は全般的に好調で、245社の企業が参加し、落札総額は去年より12.54%増え、143億元(約1750億円)の史上最高を記録しました。
でも、地方のテレビ局はどうなるのか、今のところ判断できません。またこの規定の対応策として、ドラマの回数を増やし、一話の時間を短縮すれば、合間に放送するCMの時間も次第に増えます。そうすると、結局、ドラマの連続性にも影響が出ることになりますね。政策に対し、対策もいろいろ考えられますね。実際の施行状況はどうなるのか、今後も気になるところです。(「イキイキ中国」より)
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