不動産市場の値下がりが全国に広がりを見せており、不動産業界大手の万科は2012年に同市場が冬場入りするという見解を発表しました。中国の不動産市場は、今後どのような局面を迎えるのか。不動産購入制限策の支持者、人民銀行貨幣政策委員会委員、清華大学中国・世界経済研究センターの李稲葵氏は、「今後2-3年間、不動産価格が上昇することはないが、下落幅も15%を超えることはない」と指摘しました。北京晨報が報じました。
友邦保険が先週主催した「ハイエンド財産フォーラム」の席上で、李氏は現在市場でさまざまな意見が出ている今後の不動産価格に関する問題について、「政府やデベロッパーがいかに働きかけようと、2-3年間の不動産価格は基本的に安定する。不動産の続騰はない、政府にとって損失が生じるからだ。しかし大幅な下落もありえない。仮に北京、上海、広州で不動産価格が10%下落したならば、30%上昇するよりも大きな社会問題が生じるからだ。不動産を購入したばかりの若者からも、不平が漏れるだろう」と意見を述べました。
大幅な下落はないと予測しましたが、李氏は「3-5年間、不動産価格が基本的に安定する状況下、インフレ要因を加味しさらに中国の名義上のGDPが毎年10%で成長すれば、国民の収入は毎年10%以上のペースで増加する。それならば3-5年後、不動産価格が30-50%下落することに相当し、これまで家が買えなかった国民も購入できるようになる」と語りました。
中国銀行業監督管理委員会の劉明康前主席は先ごろ、「当委員会が商業銀行に対して実施した不動産価格下落圧力の調査によると、最悪の状況が発生し不動産価格が50%下落したとしても、銀行の貸付返済率は依然として100%に達する。利息を取り戻すことはできないが、元金に問題はない」と表明しました。これについて李氏は賛同を示し、「中国の不動産問題は米国と異なる。中国人が家を購入する場合は頭金が高く、また購入の際に真剣に考慮する。ゆえに米国のように不動産価格が下落した際に、不動産を銀行に返しお金を返さないということは起こらない」と語りました。
不動産購入制限策が今後も長期的に継続されるかについて、李氏は「不動産価格の僅かな下落の可能性が最も高い。地方政府は購入制限策を小幅に緩和するだろう。微調整に微調整を重ね、取引量がやや増加すれば、引き締めをやや強める。このような駆け引きが今後見られるだろう」と表明しました。(人民ネットから)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |