最近、中国では、宝くじが再び人々の注目を集めるようになりました。というのは、8月29日に、中国史上最高の宝くじの賞金、5億6500万元を手にした人が現れたからなんです。このニュースに刺激を受けて、沢山の人が「一夜で億万長者になる」という夢に燃え、宝くじを買い求めています。しかし、このような宝くじブームは多くの社会問題も招いています。チャイナライフ、今回は、中国の宝くじ事情にスポットを当てます。
中国大陸では、1987年から、宝くじの販売が始まりました。当時の販売額は年間2000万元足らずでしたが、23年後の2010年、年間販売額は813億元に達し、1987年の4600倍以上となりました。中国大陸部では、宝くじ以外のギャンブルは禁止されています。人々の収入が増えたことで、宝くじを買う人がどんどん増えたのです。
また、中国財政省はこのほど、今年8月に全国の宝くじ販売状況を発表しました。それによりますと、1月から8月までの8ヶ月間の、全国で販売された宝くじの総額は1381億2200万元で、去年の同じ時期より32.7%増えました。全国31の省、自治区、直轄市では、宝くじの販売額はいずれも急成長を見せ、そのうち、江蘇省、山東省、広東省、浙江省、北京の伸びが最も大きいということです。さらに、8月29日、賞金5億6500万元の中国史上最高額の宝くじが誕生しました。
中国で、全国統一の宝くじは福祉宝くじとスポーツ宝くじの二種類に分けられます。でも、地方によって、いろんな細かい分類があるんです。それによる収入は、福祉などのチャリティ事業やスポーツ施設の普及に用いられます。この2種類の宝くじはいずれも一枚2元で、一つの番号に対応しています。番号は自分で決めてもいいし、パソコンでアットランダムに選んでもいいです。自分で選ぶとなると、日本のナンバーズとかロトシックスと呼ばれるものですね。
購入費は安いですが、巨額の賞金目当てに、宝くじの購入を職業にしている人さえ現れました。「職業彩民」のことです。中国では、宝くじのことは「彩票」ですから、宝くじを買う人は「彩民」と呼ばれています。宝くじを買うことを職業にするなんて、かなり冒険的ですね。これらの人たちの多くは深刻な心の病に悩まされていると思います。
「上海市宝くじ調査研究報告書」によりますと、いま、上海で、宝くじを購入する人のうち、65%は正常ですが、心理的問題のある人が12%、さらに深刻な心理的問題を抱えている人は1.4%いるということです。つまり、100人のうち、12人は心理的に問題が見られ、1人は心の病にかかっているということです。これはギャンブル依存症ですね。調査報告書によりますと、いま、中国では、宝くじを買う人は1億人ぐらいで、そのうち、200万人から300万人余りは、ギャンブル依存症にかかっているということです。ギャンブル依存症は個人だけでなく、社会問題をも引き起こしています。後半は実際に宝くじを購入し、ギャンブル依存症にかかっている数人のことをご紹介します。(つづく「イキイキ中国」より)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |