実はここ数年、中国では、「整形」がブームになっています。町の至る所に、「整形美容」の看板を見かけますし、夏休みを利用して整形する学生が大勢いるようです。さらに、女性だけではなく、整形にチャレンジしてみる男性も少なくないようです。しかし、このトレンドには批判的な人も多く、大きな話題となりました。
美を求める心は誰でも持っているはずです。特に女性。美しくなるために、貯金して綺麗な洋服や化粧品を手に入れたり、いろいろなことを我慢してダイエットに励んだりします。さらに、最新の流行をチェックし、トレンドに遅れないよう一生懸命頑張ります。それでも満足できない一部の人は、体の苦痛、命の危険を顧みず、美容手術を選んでいます。女優さんのような完璧な顔になりたい、自分の人生をルックスと共に変えたいと思っている人がますます多くなってきました。
でも、人間の美しさは顔やルックスだけではなく、性格や人柄など、いろんなものからなっていますね。整形手術によって一時的には綺麗になり、自信の向上につながるかもしれないけど、心が強くならない限り、本当の自信とは言えませんね。
「整形」はいいか、悪いか、中国のインターネットや中国版ツィッターのミニブログ(Weibo.com)では、いろんな議論が交わされています。まずはネットユーザーたちの意見から見てみましょう。これはある程度の民意を反映していますから。4割近くの回答者が反対し、同様に4割が賛成、残りの2割は「どちらでもいい」と答えました。これはミニブログで行われたアンケート調査ですから、回答者はわりと若者が多いですので、保守的な考え方が少ないといえます。どの国でも、若者たちは新しいトレンドなどを受け入れやすいですから。
それでは、賛成と反対の理由を見てみましょう。まずは反対の理由、30歳の公務員の女性は、「自分の顔は親からもらった貴重な遺伝子によるもので、最高のギフトだ。簡単に変えるもんか」と書き込んでいます。また、23歳の大学院生・王さんは、「いま、美容整形の医療機関は多すぎて、とても混乱している。一部の美容機関は効果を大げさに宣伝し、とても信用できない」と答えました。
確かにこの体は授かりものですし、むやみに傷つけるものではないですよね。市場の混乱ぶりもよくわかります。広告だらけですから。では、賛成者の意見はどんなものですか。外資系企業で仕事している24歳の女性・魯さんは「誰でも美しくなりたい心を持っており、自分のやり方で美しくなる権利を持っている。いま、多くの女優さんやタレントにとって、整形手術は日常茶飯事のようなことになっている。整形した効果は明らかで、われわれ一般人もチャンレジして何が悪いのか」とコメントしています。また、17歳の大学一年生のジュリーさんは「周りの同級生のうち、二重瞼の手術などを受けて綺麗になった人がいる。自分もやってみたい」と正直に書き込みました。きれいになった人を間近で見たら、確かに自分もやってみたいと思うのは当然かもしれませんね。
一方、日本では、整形に対して抵抗感がなくなっているのは確かだそうです。メスを使わずに目元や鼻筋、口唇、顎や輪郭などを整えたり、注入法などでしわやわきが等を改善するプチ整形なんていうもので出てきて、より手軽になってきています。きれいになりたいというより、いつまでもきれいでいたいという人も施術するようです。科学技術の発展によって、美容の技術も日増しに進化していますね。いろんなスキンケアのサロンやSPAが出来ましたし、整形手術もずいぶん変わりましたよね。伝統な手術から、注射一本だけで済むようになっていますね。
しかし、いくら簡単になっても、やっぱり10代ぐらいの学生さんには薦めませんね。青春の美しさに整形なんか要らないし、体の成長期に整形手術を受けると、体が損なわれます。しかし、いま、中国では、冬休みや夏休みを利用して整形する学生さんのほうが多いようです。そのうち、多くの人は「就職のため」、または「お見合いのためだ」と答えています。いま、就職の氷河期が続き、ルックス、特に女性のルックスが関係している職場もあります。また、お見合いなら、言うまでもないんですけど、女性の容姿を最優先に考える情けない男性はやっぱり大勢いますから。
個人的になら、人を喜ばせるために自分の顔や、外観などを変えたりするなんて、本当に賛成できません。というより大反対です。もし、自分を励ましたり、もっと自信を付けられるように整形するなら、なんとなく理解できます。でも、やっぱりプチ整形までですね。大きな手術なんかしないほうがいいと思います。外観が変わって本当に幸せになるならいいんですけど、リスクは必ずあります。もっと内面を磨くことにエネルギーを注いでほしいですね。ルックスの美より、心の美はもっと長持ちしますよね。(09/29 「イキイキ中国」より)
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