近頃、ぜいたく品の輸入関税引き下げをめぐる話題が中国で注目を集めています。特に、メディアの焦点である商務部と財政部の意見にこのほど相違が見られたことで、この話題をめぐる論争はピークに達しました。経済参考報が伝えました。
統計によりますと、中国の商品に含まれる税金は、米国の4.17倍、日本の3.76倍、EUの2.33倍で、一部先進国を大きく上回っています。輸入拡大・内需促進を目指す現在、ぜいたく品の輸入関税引き下げは、利益が弊害を上回ります。
現在、ぜいたく品の輸入関税を引き下げるべきかどうかについて、以下の4つの対立意見が見られます。
(1)ぜいたく品をいかに定義するのか?
(2)ぜいたく品の減税は、公平な所得配分に反するのではないか?
(3)ぜいたく品の減税により、ぜいたく品の価格は下がるのか、内需を拡大できるのか?
(4)ぜいたく品の関税引き下げは国内産業にとってチャンスなのか、それとも打撃なのか?
この中、(1)の定義については、現時点では「ぜいたく品」という概念に明確な統一された決まりはありません。その他の3つの意見については、専門家たちの間で意見が分かれています。
財政部財政科学研究所の劉尚希副所長は「輸入ぜいたく品に対する消費税課税、つまり富裕層に対する課税は、社会的公平につながる。このような税は引き下げるべきではなく、むしろ引き上げるべきだ」とし、より多くのぜいたく品をぜいたく品消費税の課税対象に組み込み、ぜいたく品消費税の調節機能を十分に発揮させるべきだとの見方を示しました。さらに、「内需拡大とは中国製品の消費拡大を目指すものであり、輸入製品ではない」とし、ぜいたく品の関税を引き下げても外国の経済成長を牽引するだけだとしています。
財政部財科所の賈康所長は「ぜいたく品の関税を引き下げても、ぜいたく品の価格が下がるかどうかはわからない。世界的なブランドは、戦略として高価格を維持しているからだ」と述べました。
一方、商務部研究院の李健則研究員は「国外の中高級日用消費財の輸入は、国産商品の品質を向上し、消費者の需要を満たす上でも意義がある。例えば、中国産の粉ミルクに相次いで品質上の問題が発見されたが、粉ミルクの需要は非常に大きいため、国内消費者は様々な手段で国外から購入するしかない状態だ。しかし、多くの外国製粉ミルクが国内で販売されるようになれば、消費者の悩みが解決すると同時に、中国産粉ミルクの品質向上も促進されるだろう」と肯定的な見方を示しました。
このほか、比較的で現実的で実現可能な方法としては、ぜいたく品を細分化し、その中で個別に減税するという主張も見られます。ビジネス評論家・周世倹氏は、「輸入関税を引き下げるべきなのは、人々が日常的に使う消費財だ。ヘアカラーなどの一般的な商品はぜいたく品のリストからはずし、輸入関税を引き下げるべきだ。高級商品の一部に関しても、輸入関税を適度に引き下げるべきだが、人々の生活に密接に関わる一般消費財の輸入関税は、さらに大幅に減税すべきだ」と指摘しています。(人民ネットより)
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