中国の東南部に位置する無錫は、呉の時代の都です。3000年の歴史を持ち、昔から美しく、豊かな都市として知られる無錫は『江南の名城』とも呼ばれ、また物産が豊富なことから「米と魚の故郷」と謳われています。毎週のこの時間は無錫の様子をお伝えしていますが、今日は中国歴史文化街に選ばれた無錫の古い町並み・恵山歴史文化街についてお伝えしましょう。
このほど、中国文化省と中国国家文物局の共同主催による中国歴史文化街選考活動が全国で行なわれています。今のところ、全国の300余りの候補の中から無錫市恵山街を含む15箇所の伝統的な町並みがノミネートされました。
歴史文化街は往々にして都市の悠久な歴史と輝かしい文化を目にした証人だと見られています。中国の都市化プロセスの進展に伴い、一部の歴史・文化的町並みが蚕食され、なくなったことは事実ですが、このことはすでに社会各界から注目されています。
歴史・文化的町並みへの保護意識を高めるため、関係部門は中国歴史文化街の選考活動を通じて、恵山街など各地の歴史的遺産や文化遺産に恵まれた古い町並みの様子を中国及び世界に紹介することになりました。
恵山街は江蘇省無錫市の西部に位置し、東には北京と杭州を結ぶ京杭大運河があり、西には恵みの山と書く恵山があり、南には太湖という湖があり、面積が30ヘクタール、住民がおよそ3600人余りいます。
恵山歴史文化街は歴史と文化が最も豊かな無錫の伝統的町並みとして、歴史的遺跡と伝統的な風俗習慣が多く残されています。例えば、大晦日の夜、恵山寺の鐘をつく行事や、旧正月の期間に行なう恵山縁日など多くの伝統的な行事が今でも受け継がれています。
このほか、恵山歴史文化街には中国最大規模の祠堂・つまり先祖の霊(たましい)を祭るみたまやの建築群があり、わずか0.3平方キロの場所に唐の時代から民国までの1200年の間に建てられたみたまやとみたまや庭園が118箇所あります。独特な庭園文化から恵山文化街の歴史と文化の趣きを感じ取ることができます。特に、寄暢園、恵山園、留耕草堂などの伝統的な庭園は恵山の美しい自然環境と完全にマッチし、江南地方の特色を持つ庭園文化を作り出しています。しかも、1940年代、中国の有名な民間音楽家とされる華彦钧さんの二胡代表作「二泉映月(二泉に映る月)」は恵山でインスピレーションを受けて創作されたと言われ、この曲は多くの中国の人々に愛されるだけでなく、世界でも有名な伝統音楽となりました。
最後に、この二胡の名曲「二泉映月(二泉に映る月)」」をお聞きいただきながらお別れしましょう。この曲は泉に映る月の美しさを表しています。
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