中国の東南部に位置する無錫は、今から2500年ほど前の呉の時代の都です。3000年の歴史を持つ古い町で、昔から美しく、豊かな都市で知られるこの無錫は『江南の名城』と言われています。 無錫は北に長江、南は太湖に臨み、西は南京、東は上海に接しています。 四季がはっきりしていて、物産が豊富で、中国では、「米と魚の故郷」と謳われています。
無錫市の伝統的なイベント・梅村縁日は旧暦の正月9日・2月12日から始まり、これにより、無錫市各地の様々な縁日が相次いで始まることを意味しています。これらの縁日で多くの伝統芸能やパフォーマンスそれに伝統工芸品の実演販売などが期待されています。そのうち、80歳の芸能人・尤茂盛さんと周仁娣さん夫妻が公演した「小熱昏」という地方劇は年配の人々の子供頃の思い出を喚起させ、若者たちにこの伝統芸術の魅力を楽しませました。今日の無錫シリーズ、無錫の伝統的な地方劇・「小熱昏」についてお話しましょう。
「小熱昏」は中国東南部の江蘇省と浙江省に多く伝わる地方劇で、大道芸の一種です。「小熱昏」は最初、今から120年前の清の光緒帝の時代に興ったもので、20世紀の二、三十年代には一つの最盛期を迎えました。この「小熱昏」は最初、蘇州の辺りに梨で作ったシロップ「梨膏糖」を販売する商人がお客さんを引き付けるため、呼び売りの中に当時のニュースや時事の内容を取り入れて即興に作った呼び売り歌で、当時、この民間芸術は一般庶民の間で非常に人気がありました。
周仁娣さんは「小熱昏」の第3代目の継承者周福林の娘で、7歳からお父さんについてこの大道芸を学んで実演し、毎日、旅の辛さや野宿の苦しみを耐えて非常に苦労しました。このほか、この「小熱昏」の歌い内容の中に社会の弊害と市民の不満が多いため、常に権力の座にいる者に報復されました。生活の条件が非常に悪かったとしても周仁娣さんとお父さんはこの伝統芸術の生涯をずっと続けてきました。
周仁娣さんは当時の光景をひり返り「当時、テレビがないし、文芸イベントも少ないため、この「小熱昏」は非常に人気ある芸術だった」と話しました。
今、小熱昏はすでに国家クラス無形文化遺産として登録されました。しかし、時代の発展に伴い、今、『小熱昏』の伝承は途絶えることに瀕しています。この伝統芸術を救いため、周仁娣さんとその家族達は様々な努力を行っています。周仁娣さんと旦那さんは毎日午前、錫恵公園で無料公演を行い、周さんの息子と娘、孫も数年前から小熱昏を学んではじめました。周さんは「より多くの人が私について小熱昏を学び、この伝統芸術を代々伝えて生きたいと期待する」と話しました。
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