新疆は中国の北西部にあります。かつてはシルクロードの通り道であり、今も多様な民族が暮らすところです。古くから、ここは中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でした。毎週この時間は今日の新疆の様子をご紹介します。
皆さんご存知のようにカザフ族は新疆で暮す少数民族です。昔から独特な民族文化と風俗習慣を持ち、特に、その伝統音楽は独特な芸術的魅力に富んでいます。今日の新疆シリーズはカザフ族の独特な喉歌・コーミーをご紹介いたしましょう。
昔、アルタイ山脈の南の麓の草原に暮らす、ある遊牧民の部落では、夕方狩りから戻った狩人たちが馬に乗って戦利品を持って帰る時、部族の長老や老人、女性、子供達はそれぞれテントから出て、狩人達を迎えながら、コーミーを歌いました。
コーミーは独特な発生方法で声帯を振動させて喉で倍音を共鳴させ、不思議な音色を作ります。今お聞きいただいたコーミーの歌「好漢歌(英雄の歌)」は部族の人々が英雄を崇拝し、讃える気持ちを表しています。
昔から、新疆の草原で暮らしていた各遊牧民部落は、チュルク語の部落でもモンゴル語の部落でもコーミーで英雄への賛美、自然への崇拝、戦争勝利の祝賀などの気持ちを表す習慣がありました。
その後数百年間、戦争や部落の分裂と融合、それに婚姻などを通じて、一部の部落が統一的なカザフ族を形成し、この独特な喉歌も代々伝えられてきました。
カザフ族の若者・ザイトさんと仲間たちは祖先から受け継いできた古い喉歌を舞台で再現しました。
この歌は「貴重な宝は海の底に、格言は人々の頭の中にある。頭も尻尾もない馬はいかに生きるか。兵器を持たない勇士はどうして敵を打ち負かすことができるか。人々は荒涼たる砂漠の中でいかに暮らすか、私達は花の咲いた草原に憧れる」と言う内容です。
ちょっと聞いただけではカザフのコーミーはモンゴル族のホーミーと良く似ていますが、実はこの二つの民族は長い間、近くに住んでいるため、文化と芸術が融合しています。しかし、人種と宗教による習慣の違いのため、この二つの芸術は異なる発展の道を歩んできました。
2004年、アルタイ市歌舞団のサイドさんは偶然、81歳のアブドゥ・ルホマンさんと知り合い、ルホマンさんが歌ったコーミーに一瞬で心奪われて、その後の芸術の方向を決めました。
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