今大会で、日本選手の活躍ぶりは中国の監督にも印象が残ったそうです。中国卓球男子チームの劉国梁総監督は水谷準選手を高く評価しました。
「日本の若手選手は、ここ数年随分早い進歩を見せてくれた。水谷ジュンをはじめ、対戦するたびに、成熟したなと感じました。彼らには、世界のトップチームと対戦する力がついています」
女子卓球の福原愛選手は、中国の広東省や遼寧省のクラブのメンバーとして戦ったことがあります。今回は、危うく中国のエース郭やく選手が倒されるところでした。福原2世と呼ばれる石原佳純選手はミキハウスクラブのメンバーで中国のリーグ戦に参加しています。今回の広州大会では2個の銅メダルを獲得しました。まだ17歳のホープは、2年後のロンドン大会に熱いまなざしを向けています。石川佳純選手は自分の抱負と夢について、「目標は、ロンドンオリンピックに参加すること。夢は、オリンピックで優勝すること」と語りました。
中国のリーグ戦で戦うとき、中国人のコーチの指導を受け、日本で合宿するときも、中国人の担当コーチの指導を受けています。それは、現在の実績を果たしたためではないでしょうか。また、卓球だけでなく、ほかのスポーツ種目でも、日本と中国のつながりが強いそうです。例えば、武術、男子長拳種目の市来崎大祐選手は、今大会で日本初のメダルを獲得しましたが、市来崎大祐選手は、毎年中国で強化合宿を受けています。
市来崎大祐選手は、CRIの国内FM放送の生中継に出演した際、指導してくれた中国人コーチに感謝の気持ちを伝えたほか、「来年の世界選手権で金メダルを取りたい」と抱負を語りました。
日本の武術太極拳選手団と中国のコーチの間の架け橋となっているのは、現在日本武術太極拳強化委員会ヘッドコーチを務めている、中国籍の孫建明コーチです。
孫コーチは、北京出身で、小さい頃、太極拳を習得し、全国チャンピオンを取ったことがあります。1986年、東京太極拳連盟の招待を受け、日本に渡りました。太極拳を教えるとともに、武術に憧れる青少年の育成に携わっています。自分が日本で太極拳を普及することについて、孫コーチは、「太極拳は中国の文化遺産といえます。日本でこんなに短い時間でこんなに大勢の方が受けるようになることは、文化的に中日両国が似ているためだと思います。太極拳のほか、例えば、少林寺拳法、空手、合気道、などはすべて中国から伝わってきました。こういう意味で中日両国は文化的に共通しています」と述べました。
グローバル化しつつある現在、スポーツ分野の国際化もますます進んでいますね。先ほどの紹介で分かりましたが、多くの外国人選手が中国に来て、中国国内のリーグ戦に参加する一方、沢山の外国人コーチも中国のスポーツ事業に力を尽くしているのでしょう。今大会で、中国はシンクロナイズドスイミング全種目で金メダル3個をとりました。これからの中国のシンクロは、日本を追い越し、アジア一になると見られています。この結果にびっくりした人が少なくないと思いますが、井村雅代さんにとっては、予定通りのことだそうです。
井村雅代コーチは、北京オリンピックの時、中国を率いて、初のメダルを取らせました。今年9月、ワールドカップとアジア大会の強化訓練の時もまた招待をうけて指導に携わってきました。2回指導にきた理由について、井村コーチは、「短い時間だけど、自分の経験が役に立てば。世界1のロシアを勝つことができるのは中国のペアしかない」と語りました。2年後の北京五輪に向けて、井村コーチは、「北京で銅メダルを取ったから、その上を目指すのは当然でしょう。アジアの1位が世界に1位になってほしい」とさらに高い要求を出しました。
卓球、武術、シンクロナイズドスイミング、野球、柔道…中国と日本がスポーツ分野での交流の長い歴史を誇るとともに、ますます盛んになり、綺麗な花を咲かせています。
実は、新中国と日本の間のスポーツ交流は、1960年代に遡ることができます。1965年、つまり、東京オリンピックが成功裏に開催された次の年、日本女子バレーの名監督、大松博文は周恩来もと総理の招待を受けて、1ヶ月にわたり、中国チームを指導しました。80年代、中国チームは、世界大会で5連覇を果たせたのは、大松さんの訓練方法の吸収と深く関係があるとされています。当時、大松さんと一緒に中国に来たのは、当時の男子ハンドボールチームです。今回アジア大会日本選手団の団長、市原則之さんは、そのハンドボールの一員でした。中日のスポーツ交流について、市原団長は、「昔は、日本は、中国を援助する、今、韓国や中国のコーチは、日本で指導しています。各種目で参加に協力していると言える」とコメントしました。
2009年世界卓球選手権横浜大会の時、中国卓球協会の蔡振華主席は日本メディアのインタビューを受けた際、「中国の卓球は強いですが、中国だけ強くなるのはだめです。中国としては、アジア各国、世界各国の卓球レベルを高める義務がある」と語りました。今年4月から、日本、シンガポール、スペインの三チームが中国卓球リーグ戦に参加することができるようになりました。今までは個人選手の参加しか認められていませんでしたので、これから、卓球の試合がもっともっと面白くなるでしょう。
「一衣帯水の隣国」とよく言われる中国と日本。共通した東洋文化の価値観に恵まれ、スポーツ交流を行うメリットを持っています。また、同じくアジアのスポーツ大国として、アジアのスポーツレベルを向上させる共通の使命を担っています。「競争し合いながら協力を求め、お互いに良い刺激を与えたり受けたりして、共にアジアのスポーツレベルを高めていく」、これは共通の願いでしょう。(李軼豪「イキイキ中国」より 12/02 )
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